ゲームをする子どもに話しかける母親写真はイメージです Photo:PIXTA

子どもが寝食を忘れてゲームに熱中していたら、「そんなにゲームばかりしていて大丈夫?」と心配になるのが親というものだ。ところが、同じように寝食を忘れて勉強していたら、「それだけ夢中になれるなんて偉い」と喜ぶのではないだろうか。どちらも生活を犠牲にするほど何かに没頭しているのに、なぜゲームだけは「やめさせなければ」と思ってしまうのか。精神科医の松本俊彦氏が、子どもがゲームに夢中になる背景と、親子でゲームとの付き合い方を考えるうえで知っておきたいことを紹介する。※本稿は、精神科医の松本俊彦監修『「うちの子、依存症?」と気になったら知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。

ゲームにのめり込む背景には
本人の「生きづらさ」がある

 ゲーム産業は世界中で巨大な市場を形成し、2020年には国内での売り上げが2兆円を超えました。その活況を支えるのがオンラインゲームです。高度なグラフィックス、豊かなストーリー性はもちろん、世界中の人とリアルタイムで協力プレイや対戦を楽しめます。また、従来の買い切り型のパッケージ版ゲームと異なり、オンラインゲームは運営元によって頻繁にアップデートが行われます。新しいキャラクターやストーリーが次々に追加され、「やめどき」がありません。親世代が熱中していた時代のゲームとは、かなり状況が変わりました。

 そのうえで、多くの子どもはゲームとほどよい関係を築いています。勉強も睡眠もそっちのけで熱中する子どもばかりではありません。では、なぜそれほどまでにのめりこんでしまう子どもがいるのでしょう。

 依存が悪化する背景には「生きづらさ」があります。たとえば、有名校に進学したものの、周りについていけず成績が低迷し、自己肯定感が下がっている子どもが、ゲームの世界ではアバターで活躍し、承認欲求を満たしていることがあります。