太古の地球の記憶を現代に伝える「化石」。一般的には恐竜の骨や貝殻のような硬い組織が残るイメージが強いが、実は骨を持たない生き物や、軽やかな足跡、炭素の膜といったものまで化石として残ることがある。どのような条件が揃えば、本来なら分解されてしまう柔らかい組織や形がそのまま地中に保存されるのか。『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』から化石について解説する。(ダイヤモンド編集局)
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進化の証拠を伝える「化石」
化石は、進化の証拠の中でももっともよく知られたものだ。
先史時代の生物が死に、その形や死骸が長い年月にわたって残されたものが化石である。化石はその生物の身体のつくりを保存しているため、地球の歴史を通じてさまざまな生物がどのような姿をしていたのかを推測するのに役立つ。
また、互いに似た過去の生物種の振る舞いを調べて、現代の生物種とどのくらい似ていたのかを比較するのにも使える。
化石ができるプロセス
化石は、長い年月をかけて生物の死骸の上に土や泥が積み重なり、固くなることで作られる。
土や泥が積み重なるにつれ、生物の死骸はどんどん地中深くに埋められていく。
そして死骸が分解すると、その骨や形が残される。
化石になるのはごくわずか
死んだ生物のうち化石になるのはごくわずかである。
生物の死骸はふつう、別の生物に食べられて分解し、栄養分として土壌中に戻る。
しかしあっという間に埋められたり、あるいは骨・歯・殻のような硬い部分があると、保存される可能性は高くなる。
化石の年代を調べる方法を利用すれば、ある生物がどの時代に生きていたかだけでなく、現生生物とどのような関係にあるかも明らかにできる。
そのまま残る・足跡が残る
生物が化石になるさまざまな方法を紹介する。
1つは、そのまま残されて化石になる方法だ。
タールや氷、琥珀(樹液が固まったもの)の中に生物が捕らえられて死に、その身体全体または一部分が完全に無傷の状態で残されて化石になる。
生痕化石という種類もある。
動物が泥やタールの上を歩き、そこから水分が蒸発すると泥やタールが固化して、足跡がそのまま残されたものだ。
カーボンフィルムとは
また、鉱物に置き換わるというかたちもある。
骨・歯・殻の中には小さな気孔がたくさんある。
生物が地中に埋められると、その気孔の中に土中の無機質が浸透して、死骸が石になることがある。
カーボンフィルムは、生物の死骸が長年のあいだ硬い地盤に押しつけられ、地中深くの層から温められて残る。
死骸から液体と気体がすべて失われ、身体の固体部分を構成する元素である炭素の膜が残されたものだ。
化石燃料の正体
形だけが残る場合もある。
生物の死骸が地中に埋まって、徐々に分解していき、周囲の泥や堆積物は固化する。
そうして、その生物の形が空洞として岩石に残される。これをモールドという。
その空洞に泥や無機質が入り込んで固化すると、カストが作られる。
これらをまとめて印象化石という。
場合によっては、死骸が大きな圧力と熱を受けて、その生物に関する情報が失われ、液体や固体の炭素化合物になってしまうこともある。
それがいわゆる化石燃料で、我々はその中に含まれるエネルギーを多くの装置の燃料として使っている。石炭や天然ガスは化石燃料の例である。



