まず、自分たちが持っている情報の棚卸しをしてください。企業であれば、自社の情報の中に、外に出してよいものと、出してはいけないものがある。極秘情報であれば、誰が扱えるのか、どんな手続きを経なければならないのか、漏らした場合にはどのような処分になるのかまで、社内規則として明確に定める必要があります。
学校や大学でも同じです。研究データ、未公表の成果、学生の個人情報、進路情報、外部共同研究先との関係、学内ネットワークへのアクセス権限……そうしたものの中で、何が重要情報なのかをまず明確にする。
そして、学生がそれを盗んだり、外部に持ち出したり、同級生を不適切に勧誘したり、違法な行為に巻き込んだ場合には、停学、退学、単位不認定など、学校としてどのような処分を行うのかをはっきり決めておくべきです。ここには当然、スパイ活動につながる行為も含まれます。企業でいえば就業規則、学校でいえば学則です。
「見つかったら厳しく処分する」というだけでは足りません。何が違反で、何をしたらどうなるのかを、最初から明文化しておかなければ意味がありません。
留学の目的は「勉強」
だけとは限らない?
もう1つ大事なのは、学校側が警戒すべき相手は、必ずしも「目の前の留学生本人」だけではないということです。場合によっては、自分の子どもを日本の大学や高校に入れて人脈をつくらせ、情報に接近させること自体が目的になっているケースがあります。
これは今に始まった話ではありません。昔から、中国の有力者層の中には、自分の子どもを海外の一流高校や大学に送り込み、語学だけでなく、将来使える人脈をつくらせるという発想がありました。今も一部では続いていると見られています。
その本人が将来、中国に戻るかどうかという問題だけではありません。海外で人脈ができれば、そこを足がかりに情報を取ることも、金銭で働きかけることも、場合によってはハニートラップや脅迫を仕掛けることもできる。







