「口がうまい人」にだまされる人が決定的に見落としていること〈風、薫る第112回〉『風、薫る』第112回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第111回(2026年9月1日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

4代目・環登場

 悲しい別れと、新たな生命の誕生と、看護婦の存在が世に広がった日清戦争が終わって1年が経過。環は女学校に入学することになった。

 念願だった女学校。といっても環にとって念願だったかは定かではない。女学校入学はりんにとっての悲願だ。そのために看護婦をやってきたのだ。

「ここまでよーく頑張りました」美津(水野美紀)はりん(見上愛)を労う。

 水野美紀の老け演技がしっかりしている。この間まではさすがに老けて見えないと思って見ていたが、ここへ来て、立派に老けた。

 久しぶりに家族で記念写真を撮って、主題歌明けは、びっくり。さらに3年が経過していた。

 環(瀧七海)が4代目に!

 しかも、この3カ月前に、美津が亡くなっていた。どうりで、アヴァンで老けていたわけである。

「美津はそのたくましい生涯を終えました」(語り・研ナオコ)いわゆるナレ死。それにしたってものすごく駆け足だなあ。

 明はわんぱく盛りに。

 恵風看護婦会事務所は洋風に。テーブルと椅子が並んだ。看護の依頼はどんどん増えていて、順風満帆かと思いきや、そうでもない。近頃、間際になって取りやめる患者が頻発していた。

「大変だと思うけど、看護の質だけは落とさないように気をつけよう」

 直美(上坂樹里)が鼓舞する。この「看護の質を落とさない」が大事だ。

 そこへ、しのぶ(木越明)が来た。そういえば、しのぶを演じている俳優の名前が明(あきら)だった。女性でも「明(あきら)」と吾郎(甲斐翔真)が言ったとき、違和感があまりなかったとしたら、視聴者がこの名前をクレジットで馴染んでいたからであろう。