アインシュタインといえば「相対性理論」が有名だが、彼がノーベル物理学賞を受賞した本当の理由は、実は「光電効果」という現象の解明だった。金属に光を当てると電子が飛び出す現象だが、どれだけ眩しい光を当てても、エネルギーの弱い光では電子は1個も飛び出さない。なぜなのか? 世界を驚かせた天才のひらめきを『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの化学』から解き明かす。
Photo: Adobe Stock
光子
アルベルト・アインシュタインは、プランクの理論をもう1段階引き上げた。
当時、金属表面に光を当てると電子が飛び出してくる、光電(こうでん)効果と呼ばれる現象が知られていた。
金属から飛び出してくる電子の個数は、当てた光の明るさに比例する。

しかし電子が飛び出してくるのは、当てた光の振動数がある値(限界振動数)よりも高い場合に限られる。
限界振動数よりも低いと、電子は1個も飛び出してこない。

四角で表した金属の内部には、電子が漂っている。
そこに光という形でエネルギーが入ってくると、電子がはじき飛ばされる。
つまり、電子は金属の中に閉じ込められているので、電子をはじき飛ばすには、ある量以上のエネルギーを持った光を当てなければならない。
十分なエネルギーを持っていない(振動数が十分に高くない)光だと、電子をはじき飛ばすことはできない。
たとえ話
君は両手でバスケットボールをできる限りしっかりと持っているとしよう。
別の誰かが、そのバスケットボールを叩き落とそうとしている。
君からボールを奪い取るには、かなりの力を加えなければならない。軽く叩いただけでは、君はボールをしっかりと持ったままだ。
しかし十分に強い力で叩けば、君の手からボールを叩き落とすことができる。
このバスケットボールが電子に相当する。
ボールを強く叩くのは、限界振動数よりも高い振動数を持った光を当てたことに相当する。
アインシュタインは、光はこのように電子をはじき飛ばせるのだから、粒子であるはずだと唱え、それを光子(こうし)と名付けた。
アインシュタインによれば、光子のエネルギーEは次の式で与えられる。

cは光速度で、c = 3×10^8 m/s。
したがって、

光子は光におけるエネルギーの最小単位(量子)であって、以下の性質を持っている。
・電気的に中性で、安定しており、質量を持たない。
・電子と相互作用し、エネルギーは振動数に比例する。
・光速度で運動するが、ただしそれは真空中に限られる。
・光を含めすべての電磁波は光子でできている。



