2027年 新卒就活戦線総括#3Photo:metamorworks/Shutterstock

学生優位の売り手市場は依然として続き、就職活動の早期化が進む一方で、大手企業では採用予定数の拡大に一服感もみられる2027年新卒就職・採用戦線。特集『2027年 新卒就活戦線総括』(全6回)の#3では、企業と学生双方の視点からデータとともに振り返る。(ダイヤモンド・ヒューマンリソース 経営企画室 室長 高村太朗)

大手企業の採用拡大に一服感
学生の生成AI利用は急速に進む

 売り手市場が継続する一方で、大手企業では採用予定数の拡大に一服感も。就職活動の早期化加速と同時に、内定後も就活を続ける長期化も見られる中、学生の生成AI利用は急速に進んだ。

 ダイヤモンド・ヒューマンリソースが実施した2027卒採用アンケート調査(企業対象)では、採用人数を「増加」した企業は19.7%と、「減少」の11.8%を上回り、少子高齢化による人材不足を背景に、依然として採用意欲の高さがうかがえる。しかし企業規模別に見ると変化も表れている。従業員501人以上の企業では「増加」が17.2%に低下し、「減少」13.5%との差は3.7ポイントまで縮小。特に文系採用では「減少」7.4%が「増加」6.7%を上回り、大手企業の採用拡大路線に変調の兆しがうかがえる。対照的に従業員500人以下の企業では「増加」22.5%が「減少」9.9%を大きく上回っており、積極的な採用スタンスが続く。

 学生側に目を向けると、調査時点の内定率は89.6%と高水準を維持。平均内定数は2.91社、重複内定率も79.5%に上り、学生優位の売り手市場は依然として続いている。

 就職活動の早期化も一段と進んだ。学生が就職活動について考え始めた時期は「大学3年4月」(35.3%)が最多となり、「大学3年6月まで」に動き始めた学生は80.2%に達した。大学1、2年生から将来を見据えて動き始める学生も2割を超えており、前年から大幅に増加している。就職サイト登録、合同イベント参加、プレエントリーのいずれも開始時期の前倒しが進み、夏のインターンシップ類を見据えた動きが一般化している。政府主導のルールでは広報活動開始が3月、採用選考開始は6月と定められているが、学生が最初に内定を獲得した時期は文理共に「2月以前」が多く、文系学生で29.1%、理系では50.6%に達した。

 企業側の動きも同様に早まった。大手企業では62.0%が大学3年生の6月以前にプレエントリー受け付けを開始。採用選考開始時期は「12月中」「1月中」がピークで、内々定開始も「12月中」が最多となった。38.9%は年内に内々定を出しており、前倒しが進んだ。