人工知能(AI)開発の米アンソロピックは10日付の報告書で、中国AI企業が中継拠点のネットワークを通じて、中国ユーザーの実際のクエリー(質問・指示)を米国のAIモデルに送信し、米国モデルを複製しようとしたことを明らかにした。月之暗面(ムーンショットAI)やディープシーク(深度求索)といった中国勢が中継拠点を利用し、位置情報やパスワードなど慎重な扱いを要する情報を含めて、自社ユーザーの無数のクエリーをアンソロピックの生成AI「クロード」に送って学習させたとしている。この報告書は、米当局者が産業規模の窃盗になぞらえる「蒸留」という複製技術についての詳しい新事実を提示するものだ。米国のAI開発者は通常、外部による独自モデルの蒸留を禁じている。だが米当局者は、先行する競争相手に追いつくための近道に、蒸留がなお広く使われていると指摘する。