17世紀、自作の顕微鏡で自分の歯垢を覗き込んだ科学者によって、歴史上初めて発見された「細菌」。ヒトの細胞が1回増殖する間に約72回も分裂を繰り返す驚異のメカニズムから分類体系まで、私たちの目には見えないミクロな存在の知られざる生態を『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』から紐解く。(ダイヤモンド編集局)

細菌のカラフルな画像Photo: Adobe Stock

「原核生物」の構造

細菌は1個の細胞からなる微生物で、原核生物に含まれる。
原核生物とは核や、膜に囲まれた細胞小器官を持たない細胞からなる生物で、ほとんどの細菌は細胞壁を持っている。

驚異の繁殖力

細菌は二分裂と呼ばれるプロセスで増殖する。
二分裂は次の2つのステップで起こる。

遺伝物質が複製されて細胞が細長くなり、遺伝物質が2つに分かれる。

細胞が中央でくびれて、2個の新たな娘細胞ができる。その2個の娘細胞は母細胞とまったく同じである。

ある種の細菌はわずか20分で分裂する。
一方、ヒトのほとんどの細胞は、再び体細胞分裂するまでに約24時間もかかる。
ヒトの細胞が1回増殖するごとに、細菌は約72回も増殖できる計算になるのだ。

「微小動物」発見の歴史

アントニ・ファン・レーウェンフックは17世紀後半に細菌を発見したオランダ人科学者である。
自分の歯垢をこすり取って顕微鏡で観察し、初めて細菌を目にした。
そのとき彼は、動物のように動くその細菌を“微小動物”と命名した。

「モネラ界」の再編

細菌の分類はこれまでに何度も変更されてきた。
かつては、どの細菌も同じように活動することから、すべての細菌がモネラ界という1つの界に入れられていた。
だがその後、エネルギーを得る方法や棲んでいる場所などの異なる、いくつものタイプの細菌が存在することが明らかとなった。

現在ではモネラ界はアーキア(古細菌)ドメインと真正細菌(バクテリア)ドメインの2つのグループに分けられている。