米、核融合に託す核備蓄の増強米新興企業パシフィック・フュージョンの核融合施設が完成すれば、爆発を伴わない核兵器実験が可能に

【アルバカーキ(ニューメキシコ州)】米ネットフリックスのスタジオとトランクルームの間に広がる乾燥地帯で、核融合プラントの建設が進んでいる。激化する核軍拡競争で米国を勝利に導く一助となるかもしれない。

 開発企業によると、2020年代末までにここに核融合施設ができる。核爆発並みの衝撃を兵器部品に加えられるよう設計されているという。

 核融合炉を使えば、米国が数十年前まで行っていた爆発を伴う核実験を再開しなくても、当時の核兵器が今も機能するか、部品は安全か、設計が変わっても所期の効果を得られるかなどを確認できる。

 アルバカーキで起工式が行われた時、周囲はほぼ土で、米農機大手ディアの掘削機2台が米国旗をぶらさげていた。創業3年のスタートアップ企業パシフィック・フュージョンのキース・ルシエン最高技術責任者(CTO)は、まもなくここの景色は殺風景ではなくなると述べた。

「われわれは中国の動向と、同国がどれほどのペースで核融合分野で進展しているかを注視している」と同氏は述べた。「われわれはその先を行く」

米、核融合に託す核備蓄の増強パシフィック・フュージョン共同創業者のルシエンCTO(カリフォルニア州サンレアンドロの同社工場)

 このプロジェクトは米国の核態勢の新時代を告げるものだ。パシフィック・フュージョンの施設が完成すれば、米国が1992年に最後の地下核実験を行って以降、政府が兵器実験用に稼働させている装置と比べ、1000倍以上の核融合出力を生み出せる。

 エネルギーのパルスを放出する、輸送用コンテナサイズの可動式モジュールを156個つなげることで、これほどの高出力を生み出す。カリフォルニア州サンレアンドロの工場でこれを製造している。