競合の多い仕事をしているだけだと、価格競争になって、会社の体力がどんどん落ちていってしまいます。そこで手間がかかるけれども、利幅が取れそうな事業ブランドをいくつか試験的に立ち上げたところ、お客さまから多くの問い合わせを頂く事業が出てきました。
――どの事業が最も好評でしたか?
北濵 「REiL HOSPITAL(リイル ホスピタル)」という医療施設に特化したリノベーションブランドです。立ち上げのヒントは「施設が古いのでリニューアルしたいけど、できない」という病院経営者の悩みです。ただでさえ赤字経営なのに、リニューアルすると病院の営業を休止しなくてはならず、さらに売り上げが落ちてしまうからと、改修に踏み切れなかったのです。
リノベーション前(上)と後(下)。施設の機能を止めることなくリノベーションできると好評
そこで私たちが打ち出したのが、病院の機能を止めることなくリノベーションができることです。入院患者さんに最小限の負担で移動していただきながら、他の部屋に響かない機械を使って少しずつ工事を進めて、退院なしに工事をする方法を編み出したのです。
――すぐに反響はありましたか?
北濵 ホームページを見たお客さまから問い合わせを頂き、病室のリノベーションやトイレ設備の一新など数億円単位の工事をいくつも受注できました。小規模な改修が多いと思っていたので、驚きました。ある病院では、看護師長さんに「長年の夢だった」と泣いて喜ばれました。
――他社は追随しなかったのですか?
北濵 病院の機能を止めずに工事をするとなると、計画や工程が複雑になるので、誰もやりたがらなかったのです。そうした仕事に挑戦したことで、「事業を止めずに工事をする」ノウハウが蓄積し、今では工場や倉庫の工事にも応用しています。
――挑戦したかいがありましたね。
北濵 他には、土木会社をM&Aして、東京都の公共工事を受注できたことも売り上げ増に大きく貢献しました。土木部門を持つことで、総合建設業と名乗れるようになったかと思います。
――大型の受注案件が増えると、多額の資金が必要になるのでは?
北濵 複数の金融機関さんとお取引させていただいています。中でも川口信用金庫さんには、融資だけでなくお客さまもよくご紹介いただいており、大変助かっています。気軽に相談もできて、「心のメインバンク」だと思っています。
――今後の抱負をお聞かせください。
北濵 私が目指しているのは建設会社らしくない建設会社です。そのために、今後も新しい挑戦をどんどんしていきます。最近も木造中高層ビルのFCに加盟し、空き家活用事業も始めました。
一方で、先代から受け継いだ社是である「語り継がれる信頼」も守っていきます。そんな意識で仕事に臨めば、30年に年商100億円という目標も夢ではないと思っています。
(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2026年10月号掲載、協力/川口信用金庫)
事業内容:総合建設業
従業員数:78人
売上高:63億988万円(2026年5月期)
所在地:埼玉県川口市栄町3‐13‐1 樹モールプラザ3階
電話:048‐252‐3100
URL:saiwa.co.jp







