真面目な人は、何もしない時間や遊びの時間に、どこか罪悪感を覚えてしまうことが多いと思います。しかし、一見「ムダ」に思える時間が、新しい発想や大きな成果につながることがあります。むしろ効率ばかりを追い求めると、失うものもあるのです。本稿では、世界のトップ層を見てきた、エゴンゼンダーのパートナー・元日本代表の丸山泰史氏による新刊『「考えてばかりで動けない」がなくなる真面目の縛りを解く方法』から一部を抜粋・編集し、仕事に「遊びの領域」を持つことの意外な効用を紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局 井上敬子)

「休みの日もムダにしない」が危ない…。真面目な人が行き詰まる理由Photo: Adobe Stock

「余白」からしか生まれないものがある

「いいかげんさ」や「遊び」を、組織の仕組みとして巧みに取り込んでいる企業があります。グーグルです。

 同社には有名な「20%ルール」という仕組みがあります。

 これは、勤務時間の20%を、通常業務の枠を越えて、自分が「これは面白い」と感じる新しい挑戦に使ってよいという、会社公認の「攻めの余白」です。

 一見すると、効率を重視する企業経営においては、コスト意識の低い「お遊び」に映るかもしれません。しかし、実際にはこれこそが、グーグルの創造性を支える土壌の一つとなりました。

 営業担当者が畑違いのプログラミングに没頭したり、社会貢献活動にリソースを割いたりする中で、遊びのような好奇心から生まれたものが、後にニュース配信の「Google News」や広告配信の「AdSense」といった巨大プロダクトへと化け、またこうした文化が優れた人材を惹きつけ、組織の活力を高めていったのです。

手触り感のある「遊び心」が世界を塗り替える

 そもそも、グーグルという会社自体の成り立ちが、極めて純粋な「遊び心」から始まっています。

 創業者のラリー・ページとセルゲイ・ブリンは、スタンフォード大学の博士課程で出会った研究仲間でした。

 二人は最初から「世界一の企業を作ろう」と意気込んでいたわけではありません。ただ、検索のアルゴリズムを研究することが純粋に楽しくて仕方がなかったのです。

「これ、もっとこうしたら面白いんじゃないか?」

 そんなノリで、徹夜もいとわずに研究室で没頭していた趣味の延長が、気づけば既存の検索エンジンを凌駕する仕組みとなり、ついには世界を変えるプラットフォームへと進化しました。

 スタート地点にあったのは、堅苦しい事業計画ではなく、「面白いから、ついやってしまう」という没頭のエネルギーだったのです。