教育熱心なパワーカップルが流入し
千代田区と中央区の受験熱は沸騰

 では、東京の外部進学率はどのように変化しているのでしょうか。2020年から2024年の推移を見ると、都心部を中心に、その熱がさらに高まっていることがわかります(図6)。

図6「外部進学率」の増減(2020年春→2024年春)同書より転載 拡大画像表示

 特に上昇が著しいのが千代田区(+9.7pt)と中央区(+7.7pt)です。これらの区では再開発によって教育熱心な新しい富裕層、いわゆるパワーカップルが流入していることが主な要因だと考えられます。また、渋谷区、目黒区、豊島区でも+5pt以上の伸びとなりました。

 また、23区外で唯一トップ10にランクインした三鷹市(+5.5pt)にも注目したいところです。手厚い子育て支援、豊かな自然環境、そして質の高い教育環境といった住環境の総合力が、教育に関心の高いファミリー層を強く惹きつけているのです。

 一方、もともと受験率が高かった文京区や世田谷区、杉並区などでは、上昇率は比較的穏やかです。これらの地域では、既にある程度成熟した受験市場が形成されていると言えるでしょう。

小学校受験では中学受験とは
違った地図が見えてくる

 次に、小学校受験の世界を見てみましょう。こちらも年々熱量が高まっていますが、地理的には、中学受験とは異なる傾向が見られます。

 図7は、6~11歳人口に占める「公立小学校以外」への通学率を可視化した地図です。文部科学省「学校基本調査」(2024年)にもとづく学校所在地ベースの在籍者数と住民基本台帳にもとづく年齢別人口(2024年4月1日時点)を組み合わせて、独自に推計したデータであり、誤差が含まれる点にご留意ください。

図7 東京都「公立小学校以外」への通学率マップ(2024年)同書より転載 拡大画像表示

 東京23区では港区(28%)、渋谷区(23%)が突出して高く、これに目黒区、新宿区、世田谷区(15~20%)が続きます。23区以外でも武蔵野市(13%)と国立市(11%)では10%を超えており、全体として都心より西側のエリアで「公立小学校以外」への通学率が高くなっています。

 これらの地域は、中学受験と同様に高所得・高学歴層が多いエリアですが、同じく裕福な家庭が多い中央区、江東区、品川区では「公立小学校以外」への進学率が10%を下回っています。なぜ、このような違いが生じるのでしょうか。