居酒屋でカスハラに遭い困惑している従業員に対し、「酔っている客を相手にしているのだから、これぐらいガマンするのは当たり前」などというケースはありがちです。
しかし、会社には従業員の就業環境を良好に保つ安全配慮義務があります。
このようなケースではその義務違反になる可能性が高いと言えます。
2026年10月1日から、企業にはカスハラ防止のため、雇用管理上、必要な措置を講じることが義務付けられます。
企業は労働者に対し、カスハラに対する相談窓口を設け、適切に対応できる担当者を置くなど、労働者を保護する方針を明確化し、実際にカスハラが起きた場合には速やかに労働者を守る措置を取らなければなりません。
担当者のミスから顧客を怒らせ、結果としてカスハラに至ってしまったケースでも同様です。
今やカスハラは企業全体で改善に取り組むべき事項になっているのです。
トラブルケース1 自分のミスが招いた
カスハラは自分の責任としてガマンすべき?
《飲食店で接客しています。私の勘違いで頼まれていないものを出してしまいました。それも注文を受けてから、かなり時間が経ってからです。お客様は怒って、テーブルを叩き、大声で怒鳴られました。私一人で謝罪したのですが、私のミスなのでしかたないのでしょうか?》
ミスに対して謝罪を求めるのは正当なクレームで、多少はきつい言い方になっても、カスハラにはなりません。
しかし、エスカレートして土下座を要求したり、大声で怒鳴ったりするのは社会通念上許容される範囲を超えています。
これはカスハラ以外のなにものでもありません。
そのようなとき、店側も従業員一人に任せるのではなく、店長やマネジャーなど店の責任者が対応にあたるべきでしょう。
何もしないのは安全配慮義務違反になる可能性が高いからです。
また、こうしたカスハラに遭い、精神的に追い詰められ、健康を害してしまった場合には労災が適用されます。
では客に責任は問えるでしょうか?







