約7カ月ぶりの安値まで下落した為替相場、一時152円89銭になった(9月8日) Photo:EPA=JIJI
円安→円高→円安、揺れる円相場
陰に“増幅装置”の円キャリー取引
9月になって、円レートが大きく動いている。
ドル・円レートは、9月初めには1ドル=160円台だったが、その後急速に円高が進み、9月8日には一時152円89銭になった。わずか1週間程度で7円以上も円高になったことになる。これは今年2月以来の円高水準だ。
7月末までは、日本の長期金利が上昇したにもかかわらず、円安が進んでいた。日本の金利上昇は日米金利差を縮小させ、円高要因になるはずだが、それにもかかわらず円安が進んだのだ。
私は、この現象の背後には、日本の経済政策、とりわけ財政政策に対する市場の信認低下があると考えていた。積極財政によって国債発行額が増加し、財政規律が弱まるとの懸念が強まれば、日本国債が売られて長期金利が上昇する。そして同時に、円も売られる。
つまり、金利上昇が円高をもたらすのではなく、日本に対するリスクプレミアムの上昇が円安をもたらすとの理解だ。
しかし、これだけでは円高への動きを説明できない。
なぜ反転が生じたのか? それは円キャリー取引が巻き戻されたからだと考えられる。
これは、「これ以上は円安にならない」あるいは「今後は円高に向かう」と、市場の期待が変化したためである可能性がある。
その後、円相場は円安に戻る動きがあり、直近では、FRB(米連邦準備制度理事会)が16日に3年2カ月ぶりに利上げに転じたこともあって、18日には157円台となるなど、円安が進んだ。
今後、円安の流れは本格的に変わることになるのかどうかは、円キャリー取引の動きが一つの大きな要因になるだろう。







