完璧を求めて妥協ができない。中途半端なものを出して「できない奴だ」と思われたくない。「先のばし」や「完璧主義」を脱するための方法を、『おい、とりあえず終わらせろ』を書いたエンジニアのnwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろPhoto: Adobe Stock

フィードバックの価値は受け手の準備で半分決まる

 私は以前、フィードバックは「ただ待つもの」だと思っていました。

 しかし、それでは勿体ないと気づいた。

 出す前に「何を聞きたいか」を決めてから、次のアウトプットの質が上がったのです。

 これは実感としてあるのですが、フィードバックの価値は、受け取る前の準備で半分決まります。

 先に、目的と求める観点を共有しておく。「今回チェックしてほしいのは論理構成です」「デザインよりもストーリーを見てください」。そう伝えれば、相手のエネルギーはそこに集中します。

 続けて、聞きたい問いを用意しておく。「違和感があった点は?」「削るならどこ?」。

 場当たり的に「どうでした?」と聞くより、はるかに具体的な助言が得られます。

 もうひとつ、メモを取る道具を手元に置く。

 メモを取る姿勢そのものが「受け取る準備ができている」というサインになるから。

 ちなみに、相手に聞くとき、「なぜ」と聞くと、反論に聞こえる場合もあります。

 例えば、「グラフを増やして」と言われて、「なぜグラフなんですか?」と聞き返すと、相手の判断を疑っているように見える。

 代わりに「数字の見せ方で、何か困っていますか?」「この資料、どんな場面で使われる予定ですか?」と聞くのがいいです。

 つまり、「なぜ」ではなく「何」で問うということ。「何」で始まる質問は、状況を理解しようとする姿勢を示します。だから相手も答えやすくなるんですね。

解決法ではなく問題を言語化する

 そして答えを聞いたら、「つまり、○○が伝わりにくいのが問題ですね?」と確認します。

 解決方法ではなく、問題を言語化する。問題が正しく定義されれば、解決策は見えやすくなります。

 定義が間違っていれば、どんな解決策も的外れになる。

 相手のゴール、責任、時間軸を観察しながら、「どこまでが相手の確認領域で、どこから先は自分が腹を括る領域か」をすり合わせる。

 このすり合わせができると、フィードバックが「修正指示」ではなく「会話」になります。

 それに、相手自身も本当の問題を言語化できていないことが多いのです。「グラフを増やして」と言った人は、「何か物足りない」という感覚があって、「グラフを増やせば解決するかも」と思い、それを口にしただけかもしれない。

 だから、「なぜそう思ったんですか?」と聞いても、相手も答えられないことがある。「いや、なんとなく」と言われて終わる。

 そのときは、仮説を立てて確認します。

「もしかして、数字の根拠が見えにくいですか?」
「経営層が細かい数字を見たがっている、という感じですか?」
「前回の報告と比較して見せたい、とか?」

 仮説を複数出して、どれが近いかを確認する。「AですかBですか」と二択で聞くと、相手も選びやすくなります。

 フィードバックを受け取る側が問いを立てることで、出す側の思考も整理されるのです。