キャリア相談に来る人の中で、「思考力に自信がなくて」「頭悪いんですよ、私」という人をたくさん見ます。でも、そんなことはありません。

 考える力があるとは、特にキャリア選択や大きな転機にいる人は、「自分ごとで考えている」ということです。つまり、その選択によってどうなろうと自分が責任を取ると決めている。

人生における決断には
大きな勇気が必要

 判断と決断は違います。判断は「AとBとCがあります。どれがいいですか?」とよりよい選択を委ねること。決断は「Aにします」と決めて、他は捨てること。この違いは大きい。考える力があるとは、決断する勇気を奮い立たせようとしていることです。

 思考渋滞にはまるということは、真剣に生きている証拠です。いい加減に決められるなら、こんなに悩みません。自分のことだけ考えていれば、もっと早く動けています。

 でも、私たちは違う。いろいろなことを考えている。いろいろな人のことまで考えている。だから、足が止まる。それは弱さではありません。

 ただ、このままでは抜け出せません。なぜでしょうか。「同じ考え方を使いすぎている」からです。

 思考なら思考ばかり。感情なら感情ばかり。意味なら意味ばかり。ずっと同じ頭の使い方をしていると、詰まるのです。

 たとえば、転職で悩んでいる人。

 思考ばかりで考えている人は、エクセルで企業を比較する表をつくります。給与、勤務地、業務内容、社風、将来性。項目を10個でも20個でも出して、丁寧に比較する。そして「どの企業がいいかわからなくなりました」となる。

 感情ばかりで考えている人は、「気に入らないことがあれば辞めればいい。転職なんて簡単ですよ。自分が大事」と動き続けます。そして気づけば、選考書類が通過しなくなっている。

 意味ばかりで考えている人は、「そもそも働かなくちゃいけないんでしたっけ?私がすべき仕事なんてありますか?どの企業も理念が似通っていて共感できない」ととらわれている。

 いずれも、違う考え方を使うことが大事なのです。つまり、車線を変える必要があります。