ある相談者さんは、こう言いました。
「自分では『考えすぎて動けなくなってる』と思っていました。でも、佐野さんと話していくうちに、『あ、私が言いたかったのはこれだった』と気づいて。考えすぎじゃなかったんです。ただ、整理ができていなかっただけでした」
そうなんです。「考えすぎ」ではなく、「考えの整理ができていない」だけだったのです。
この違いは、とても大きいものです。
「考えすぎ」は、性格の問題のように聞こえます。変えられないもののように聞こえます。でも、「整理ができていない」なら、整理できる。シンプルに考えられます。
私はよくキャリア相談で、こうお伝えします。
「いますぐ解決しなくても大丈夫です」
なぜなら、大事な意思決定は、思っている以上に体と人間関係の影響を受けるからです。
何カ月も続いた転職の悩みが
「花粉症の薬」で晴れたワケ
ある相談者さんは、転職するかどうかを何カ月も悩んでいました。ところが話を聞いてみると、春先から眠れていない。その後、こんな連絡をいただきました。
「風邪かと思ったら花粉症でした。薬を飲んだら頭がすっきりして、もう自分で考えられそうです!」
私たちは頭だけで考えているのではありません。体でも考えています。
睡眠不足のとき、判断力は落ちます。体調が悪いとき、未来は暗く見えます。
だからこそ、大事な決断ほど、元気な体で考えたいのです。
また、人との対話も欠かせません。
私たちは自分ひとりで決めているようで、実は多くの人の影響を受けています。
買い物をするとき、レビューを読む。転職するとき、誰かに相談する。
どちらも、自分だけでは解決できないときに助けてくれる「誰かの力」を借りているのです。
それは依存ではありません。人は孤独なままでは、なかなか決められない生き物だからです。
だから、大切な意思決定のときほど、元気な体で、信頼できる人と対話しながら、そして最後は、自分で決める。
『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(佐野創太、あさ出版)
その順番が大切です。
焦らなくても大丈夫です。英語に「Time will tell」という言葉があります。「時間が教えてくれる」という意味です。
時間を置いてみたら、あれほど大きく見えていた問題が、意外と小さく感じられた。そんな経験を、あなたもきっと持っているはずです。
「考えすぎ」
この言葉に、もう振り回される必要はありません。
あなたが抱えている悩みは、それだけ真剣に人生と向き合っている証拠です。







