株価の変動にかかわらず、注目されている本がある。「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されている『JUST KEEP BUYING』とその続編『THE WEALTH LADDER 富の階段』だ(共に著者は全米屈指のデータサイエンティストのニック・マジューリ)。今回は、『お金の大学』著者の両学長にも絶賛されている全米ベストセラー『THE WEALTH LADDER 富の階段 ―― 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』についてライターの前田浩弥氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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「お金持ちになる方法」を実践したはずなのに……
「まず100万円を貯める」
「副業で収入を増やす」
「NISAで長期・積立・分散投資」
「持ち家を買う」
……世の中には「お金持ちになる方法」を指南する情報があまたある。
そして実際に、それらの方法で一定以上の資産を築いた人も多い。
ただ同様に、それらの方法をマネした結果、かえって資産を崩してしまった例も、枚挙に暇がない。
たとえば、「ダイヤモンド・ザイ・オンライン」2025年7月18日の記事では、2024年から始まった「新NISA」(投資で得られた利益〈売却益・配当金・分配金〉にかかる20.315%の税金を一生涯ゼロにできる制度)をきっかけに投資を始めた人が陥った失敗事例が紹介されている。
「資産形成には入金力(毎月の投資金額を増やすこと)が重要」という情報を鵜呑みにし、現金20万円ほどだけを手元に確保して残りのお金をほぼすべて投資に回したところ、相場が下落したタイミングで、間が悪く家電製品が次々と故障。現金が足りずに投資資産を売却して買い替え費用を捻出せざるを得ず、結果、損をしてしまったというのだ。
「お金持ちになる方法」を実践したはずなのに、なぜ逆に、資産を切り崩す羽目になったのか。ヒントは『THE WEALTH LADDER 富の階段』の中にあった。
「上」を見過ぎても、「下」を見過ぎても、踏み外す
『THE WEALTH LADDER 富の階段』では、資産レベルを6つのレベルに分け、それぞれのレベルに異なる資産戦略を提示している。
レベル1(資産1万ドル未満) 生存戦略
レベル2(資産1万ドル~10万ドル) 教育&スキル戦略
レベル3(資産10万ドル~100万ドル) 投資戦略
レベル4(資産100万ドル~1000万ドル) 起業戦略
レベル5(資産1000万ドル~1億ドル) 事業拡大戦略
レベル6(資産1億ドル以上~) 資産防衛戦略
そのうえで著者のニック・マジューリは、自らの資産レベルを把握して、それに応じた適切な戦略を立て、1段ずつ着実にレベルアップを図ることが「お金持ち」への最短距離であると語っている。
その道のりこそが、「THE WEALTH LADDER=富の階段」というわけだ。
しかしそれは同時に、「自らの資産レベルに応じた戦略をとらなければ、富の階段を踏み外しかねない」ということでもある。
冒頭で示した事例のように、資産レベル1でありながら、無理をして資産レベル3の「投資戦略」を実行すると、日常生活そのものが危機に瀕してしまう。
一方、すでに十分な資産があるのに、さらに富を追い求め続けることが、新たなリスクになる場合もある。
老後にお金で後悔しないために
「お金持ちになる方法」には、たくさんの正解がある。
ここで大切になってくるのは、「その方法が、本当に『自分にとっての正解』なのか」を見極めることだ。
『THE WEALTH LADDER 富の階段』には、次のような一節がある。
相手が肥満の人かアスリートかによってフィットネスコーチからの食事や運動のアドバイスが変わるように、富の階段は、相手が経済的な段階のどこにいるかによってファイナンスのアドバイスは変わることを教えてくれるのである。
――『THE WEALTH LADDER 富の階段』より 隣の人にとっての正解が、自分にとっての正解だとは限らない。
老後にお金で後悔しないために必要なのは、誰かが成功した方法をマネすることではなく、自分自身の「現在地」を知ることなのだろう。








