大ブーイング…型破り社長の「あまりに正直なひと言」【マンガ】『マネーの拳』(c)三田紀房/コルク

三田紀房の起業マンガ『マネーの拳』を題材に、ダイヤモンド・オンライン編集委員の岩本有平が起業や経営を解説する連載「マネーの拳で学ぶ起業経営リアル塾」。第83回では、「地産地消」のビジネスモデルについて解説する。

成長のきも、海外展開は「面倒くさい」「本当はやりたくない」

 外資系ファンドからの買収対抗策として、新興メーカーのT-BOXはあえて臨時株主総会を開催することになった。だが現場では、外資系ファンド・サンデーキャピタルの福沢ウイリアム太郎がT-BOXの創業社長である花岡拳の意思決定能力を批判。代表の座から引きずり下ろそうとする。

 そんな福沢の批判に対し、花岡は「(指摘は)ごもっともでございます!」と認め、頭を下げる。さらにはふざけた顔して「はっきり申し上げて、面倒くさい…本当はやりたくないんです」と語り出す。

 そんな花岡の発言に、総会に出席する多くの株主たちから怒号が飛びかう。だが、花岡は平然とした様子でそれをなだめ、あらためて、T-BOXの短期目標を売上高1000億円と宣言。世界のトップブランドになると語る。

 そしてその実現のためには、海外展開において徹底した現地化を進め、現地採用、現地生産、現地消費の「地産地消」モデルで進出していくとした。サンデーキャピタルが提唱する海外資本での「侵略」モデルからの決別である。

“飲料業界の世界企業”が築いた「現地化」の仕組み

漫画マネーの拳 10巻P55『マネーの拳』(c)三田紀房/コルク

 世界のトップブランドを目指しつつ、海外では現地での採用から生産、消費を徹底する――花岡が描くのは、まさに「地産地消」のビジネスモデルだ。現実の世界でも、この戦略をとる世界企業は少なくない。その代表例の1つが、飲料大手のコカ・コーラだ。

 コカ・コーラの商品は現在200を超える国や地域で販売されている。だが、同社は米国で作った完成品を世界中へ送り出しているわけではない。同社は主に飲料の原液などを手がけ、世界各地のボトリング会社が飲料を製造・包装し、地域の小売店などを通じて消費者へ届ける仕組みを構築している。

 各地のボトリング会社は地域のサプライヤーから原材料や包装資材を調達しており、コカ・コーラ社やボトリング会社をあわせた雇用は、同社サイトによると、70万人以上に上るという。世界共通のブランドを持ちながらも、実際に商品を作り、運び、売る部分では現地の企業や人々が大きな役割を担っているのだ。世界展開にもさまざまな方針があるというワケだ。

 あらためて外資マネーとの決別を宣言した花岡。先ほどまでサンデーキャピタルを支持するかのように振る舞っていた大株主・塚原為ノ介も意外な行動に出る。その真意は次回、明らかになる。

漫画マネーの拳 10巻P56『マネーの拳』(c)三田紀房/コルク
漫画マネーの拳 10巻P57『マネーの拳』(c)三田紀房/コルク