【NTTの出世の仕組みが激変】同期の出世頭集団「最早組」に下剋上!?新・登竜門の経営幹部養成機関「NTTユニバーシティ」は倍率10倍超の狭き門、その実態と狙いとは?Photo:

NTTグループにおける旧来型の社内エリートといえば、入社同期の中で最も出世が早い「最早組(さいそうぐみ)」と呼ばれる社員らだった。役員にのし上がれるのも最早組が中心だったが、出世の仕組みが、今まさに激変している。新たな登竜門となっているのは「NTTユニバーシティ」と呼ばれる経営幹部養成機関で、“入試”の公募枠の倍率は10倍超となっている。特集『大NTT 巨大再編の賭け』の#2では、新たな出世の登竜門となったNTTユニバーシティの実態を明らかにするとともに、激変するNTTグループの出世事情を大解剖する。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

島田社長肝いりのNTTユニバーシティが
新任役員の70%を輩出する、出世の王道に

 NTTグループの旧来型の社内エリートといえば、「最早組(さいそうぐみ)」だ。入社同期内で一番出世の早い社員群を指し、30歳前後で主査・係長、35歳前後で課長、40歳前後で担当部長になった。出世コースに乗り続ければ、50歳前後で執行役員に就いた。

 逆にいえば、最早組からの離脱は役員への道が閉ざされたことを意味した。また、一度離脱すれば、最早組への復帰も困難であり、年功序列かつ単線型の出世ルートといえた。この硬直的な「出世の仕組み」では、AI(人工知能)をはじめとした技術の進歩や、ビジネスモデルの変遷が激しい現代において必要な、多様な人材を得られないし、適材適所を実現することも難しい。

 当然、NTTグループも危機感を持ち、出世の仕組みを見直している。この改革によって、最早組も安泰ではなくなった。最早組に代わって、新たな出世の登竜門となったのが、「NTTユニバーシティ」だ。

 NTTユニバーシティは、経営人材の輩出を目的として2022年4月に創設された。実際に、役員への登竜門として機能しており、26年度のNTTグループの主要事業会社の新任役員のうち、NTTユニバーシティの卒業生が占める比率は70%に達している。

 もちろん、誰しもがNTTユニバーシティに入れるわけではない。詳細は次ページで記すが、NTTユニバーシティの公募枠は、希望者の10分の1以下しか合格しない狭き門である。

 NTTグループの出世の仕組みは、いったいどのように変化しているのか――。次ページでは、NTTの島田明社長や、NTTグループ関係者への取材を基に、新・旧出世の仕組み、NTTユニバーシティの実態や課題を明らかにする。