つゆにつけたざるそば写真はイメージです Photo:PIXTA

忙しい日の昼食は、午後の仕事を考えて手早く済ませたいもの。そんなとき、駅前の立ち食い店などで蕎麦を選ぶ人もいるだろう。しかし、蕎麦がランチに向いている理由は手軽さだけではない。日本人が親しんできた一杯は、現代の栄養学から見ても興味深い特長があるという。蕎麦に秘められた意外な実力を見ていこう。※本稿は、信州大学名誉教授の井上直人『ビジネスエリートのための 教養としての蕎麦』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。

米や小麦と比べてわかる
蕎麦の意外な実力

「おいしい」と「体にいい」が両立する食べものは、そう多くありません。

 そばは、その数少ない例です。

 そば粉の最大の強みは、タンパク質のバランスにあります。その指標となるのが「アミノ酸スコア」です。

 人間の体は20種類のアミノ酸からタンパク質をつくりますが、そのうち9種類は体内で合成できない「必須アミノ酸」です。食べものから摂るしかありません。

 アミノ酸スコアとは、この必須アミノ酸がどれだけバランスよく含まれているかを示す数値で、満点は100です。

 そば粉のアミノ酸スコアは100。

 穀物としてはきわめて異例の数値です。米は65、コムギは44。動物性食品と同等の水準を、植物性の穀物で実現しているのがそばなのです。

図3-6 アミノ酸スコアの穀物間比較同書より転載 拡大画像表示