日本の700系新幹線をベースに開発された台湾新幹線の「700T」 Photo by Kenichi Ogura
日本の700系新幹線をベースに開発された「700T」が走る台湾。筆者は台北駅から左営駅(高雄)まで乗車し、車内の設備や乗り心地を確かめた。中国製の車両を導入したインドネシアのWhooshとは、何が異なるのか。運賃、駅へのアクセス、事業の資金調達から、両者の違いを読み解く。(イトモス研究所所長 小倉健一)
日本の東海道新幹線
そのもの
今年、台湾を訪れる機会があった。4日間の旅のハイライトのひとつが台湾新幹線(台湾高鐵)への乗車である。
台湾で日本の新幹線技術に触れ、気になったのが、中国の技術を導入したインドネシアの高速鉄道Whooshとの違いである。利便性や運賃、財務面を比べてみたい。
まず驚いたのは、首都のハブ駅から直接乗れる利便性だ。東京駅に相当する台北駅から発車し、台湾西側の主要都市を南北に貫いて、中南部の台南、そして左営(高雄)までを一気に結ぶ。市民の足としてそのまま機能している。
一方、インドネシアの高速鉄道Whooshのジャカルタ側の発着駅は、市中心部から離れたハリム駅である。LRTやバスが接続しているものの、中心部から利用するには、まずハリム駅まで移動する必要がある。市中心部の主要ターミナルである台北駅から直接乗れる台湾新幹線とは、この点で異なる。
台湾新幹線で驚いたのは、駅の利便性だけではない。台北駅のホームに滑り込んできた車両を見て、車内に足を踏み入れて、私はもう一度驚いた。
中身が日本の東海道新幹線そのものに感じたのだ。
外観こそオレンジと黒のラインが入った台湾独自のデザインだが、現在運行されている「700T型」は、かつて日本の東海道・山陽新幹線で活躍した「700系」をベースに、日本初の輸出用新幹線として開発された車両だという。
普通車の座席配置も日本の新幹線でおなじみの「2列+3列」の横5席。空気感も乗り心地も、東海道新幹線とまったく変わらない。
今後はJR東海の最新型「N700S」をベースにした新型車両(N700ST)の導入も予定されており、2027年頃の営業運転開始が見込まれている。乗り慣れた日本の新幹線の技術が海を渡って活躍している。







