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「優秀な人」を見抜こうとするほど、企業は人材選びを間違える――。そんな逆説が浮かび上がるのが、美少女コンテストの意外な結果だ。グランプリよりも、その陰で「特別賞」に選ばれた人たちが後に活躍していた。なぜ「みんなが認める人」ほど、将来の逸材から外れてしまうのか。人材選抜に潜む、見過ごされがちな落とし穴を探る。※本稿は、組織学者の太田肇『なぜ「賢い人」が集まってしょうもない意思決定がなされるのか』(日本経済新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
有名タレントが多いのは
美少女コンテストの「特別賞」
以前、私は大学のゼミ学生たちの協力を得て、ある分析を試みたことがある。
かつて日本で一世を風靡した「全日本国民的美少女コンテスト」というイベントを覚えている人もいるだろう。大手芸能プロダクションが次世代のスターを発掘するために1987年から開催していた、まさに「選別」の象徴のようなイベントである。
ある業界通から「このコンテストのグランプリ受賞者は、意外にもその後の芸能界で活躍しているケースが少ない」という興味深い指摘を受けた。そこで、第1回から第13回までの主要な受賞者をリストアップし、現役の学生たちに「知っている名前」を挙げてもらう簡単な知名度調査を行った。
結果は驚くべきものだった。歴代のグランプリ受賞者について、学生たちの多くはその名前すら知らなかったのである。彼らが「誰もが知る有名タレント」として認識していたのは、意外にもグランプリを逃し、特別賞や部門賞に甘んじた面々ばかりだったのだ。
念のため、インターネット上での影響力を示す指標として、Googleでの名前検索ヒット件数(当時は件数が表示されていた)を1人ずつ調べてみた。結果は学生の回答とほぼ一致した。
圧倒的にヒット件数が多い、すなわち世間の関心を集め、活躍し続けているのは、グランプリ受賞者よりも、脇役であるはずの特別賞・部門賞の受賞者だったのである。







