自分とは考え方が違う人にストレスを感じることがある。そんなとき、できるだけ関わらずに済ませたいと考える人も多いだろう。しかし、『仕事・人間関係で損する人、得する人』の著者・伊庭正康氏は、営業の仕事を通じて、相手をよく知る前に線を引いてしまうことのもったいなさに気づいたという。今回は伊庭氏に、人間関係を築くうえで大切なことを聞いた。(構成/照宮遼子、ダイヤモンド社書籍編集局)
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ワースト1:「合わない」と思った相手とすぐに距離を置く
――伊庭さんは、かつて「典型的な損するタイプ」だったと本書に書かれていますが、そこから考え方や行動が変わった、一番大きな転機は何だったのでしょうか。
伊庭正康(以下、伊庭):営業の仕事に就いたことが大きかったですね。それまでの私は、「この人とは合わない」と思ったら、少し距離を取るタイプでした。そのせいでチャンスを逃しているな、と思うことも正直ありました。
でも、営業では自分と考え方が違う相手とも関係を築かなければ、成果につながりません。そこで、「これまでの自分の人付き合いのやり方を変える必要がある」と気づきました。
――実際に、なかなか良い関係を築けなかった相手との関係性が変わった経験はありますか。
伊庭:印象に残っている出来事があります。私がある会社を営業で担当することになったのですが、前任の担当者二人が、相次いで先方から「担当を替えてほしい」と言われていた取引先でした。私が担当になった当初も、事務所に入れてもらえず、話をすることすら難しい状況でした。
すぐに結果を求めず、できることを続ける
――そこから、どうやって関係を築いていったのでしょうか。
伊庭:訪問するたびに、採用や人材育成に役立ちそうな情報を持っていき、「少しでもお役に立てれば幸いです」と一言添えた置き手紙を残すようにしました。それを続けるうちに事務所に入れてもらえるようになり、少しずつ会話も増え、やがて社長がご自身の身の上話までしてくださるようになったんです。
――そこまで話せるようになると、最初に抱いていた印象も変わりましたか。
伊庭:変わりましたね。実際に話してみると、とても優しい方で、自分の考えを明確に持ち、仕事の進め方には厳格なのだと分かりました。最初は「自分とは合わない」と感じていましたが、私は相手のことをまだ十分に理解できていなかっただけなんですよね。



