性能と効率は、スズキ伝統の「小・少・軽・短・美」の思想を継承。大きなバッテリーを積んで航続距離を伸ばすのではなく、車両全体の効率を最大限に高める手法で、十分な性能を実現した。
航続距離は、日常の買い物や通勤に加え、週末のちょっとした遠出までカバーする310kmを実現。交流電力量消費率は、スズキ調べで現在販売されているBEVの中で最高の97Wh/kmを達成した。
電池容量は26kWhと小さめ。だがあえて容量を少なくした結果、充電所要時間は短い。6kW(200V30A)の普通充電でも充電警告灯点灯から100パーセントまで約4.5時間、50kWの急速充電では同80%まで25分ほどしかかからない。eスカイは昼間に目一杯走っても、夜間の普通充電で朝にはしっかり満充電になり、出先での充電でも手間がかからない。まさに日常の生活リズムを崩さずに使用できるBEVである。バッテリーは薄型構造の、安心安全で長寿命なリン酸鉄リチウムイオン(LFP)を搭載している。要となるeAxleは、モーター/インバーター/ギアを統合した、コンパクトで軽量な3in1構造となる。
eスカイはボディ形状やアンダーフロアを細部まで作り込み、軽自動車トップレベルの空力性能を追求した点もポイント。床下配置のバッテリーを車体の一部として活用し、空気の流れを整流するとともにボディ構造補強にも役立てた。
BEVのスムーズさが自然に味わえる走り。
完成度はハイレベル
走りはナチュラルそのもの。「EV特有の強い加速や極端な静粛性による違和感をあえて排除し、乗りやすさを最優先した」という説明どおりのチューニングだった。
eスカイは、アクセルをそっと踏めば優しく、ぐっと踏めば力強く進む。そのショック感の少なさとダイレクト感のバランスは見事。唐突に加速せず、もたついてストレスを感じることもない。まさにエンジン車から乗り替えても違和感のない加速フィールの持ち主だった。とはいえモーターは47kW/135Nmと、軽ターボ車以上に強力なスペックだから絶対的な余裕は十分。いいバランスに仕上がっている。
静粛性もハイレベル。極端に静かなわけではないが、風切り音やロードノイズといった不快なノイズは気にならない。速度感や安心感を演出するために必要な音はあえて残したとのことで、確かにそのように仕上がっていた。
ハンドリングは思いのほか意のままである。新開発の軽EV専用プラットフォームは、低重心化と高剛性ボディを実現。さらに通常のエンジン車より余裕のある165/65R14サイズのタイヤを採用した効果が実感できる。乗り心地も悪くない。取り回し性についても優秀だ。最小回転半径は4.4mと高い小回り性を維持している。







