ブッキーの出すオッズを精査して、4.54%のハウスエッジ(アメリカにおける通常の控除率)を超えたプレイヤー側に有利な状況を見つけ出すことができるなら、期待値を100%以上にすることが可能となるのである。
「言うは易く行うは難し」というのはそのとおりだが、客観的にプレイヤー側に有利と考えられる状況は、しばしば起こりうる。1週間単位で見れば、2つや3つは見つかると考えてよいだろう。そういったオッズ(PSやML=Moneyline、勝敗予想)を見つけ出し、かなりの大金を賭けるプレイヤーを業界では「Sharps」とよんでいるそうだ。10回賭けて6回以上勝つことができるなら、十分に食べていけるとも言われている。
客に有利なベットを共同で調査し、プールした資金を投資する(つまり賭ける)企業のような組織やグループもある。俗に「シンジケート」とよばれているが、個人の考えや感情が入らない分、集める情報がより客観的になる利点がある。
ポーカーのプロと
“カモネギ”
ブラックジャックやスポーツ・ベッティングには、プロのギャンブラーが存在しうる余地があるが、カジノ全体で考えるなら、少なくとももう1つ、プロの存在がありうるゲームがある。それは「ポーカー」である。
『ギャンブルのからくり』(谷岡一郎、講談社)
ポーカーでは、その回のポット(総取り賞金)を得た勝者から、勝ち分の5%程度を「Rake(かき集め)」する。したがって、この5%をカバーできるような勝ち方ができるなら、ポーカーで食っていけることになる。たとえば、10人のプレイヤーがいて9回に1回の割合で(平均金額以上を)勝てるなら、それは可能となる。
簡単な方法の1つは、適当な“カモ”を見つけることだ。実は、わざわざ見つけなくとも、有名プロのいるテーブルにのこのこと現れる、自分では「実力のあるプレイヤー」だと信じているカモがいるものなのだ。
ポーカーが70%程度まで実力の世界であり、運の介入する部分が少ないことは、強いプレイヤーほど経験的に知っている。しかし、自らの腕前を過信する者も(しかも金持ちに)少なくないのである。彼(女)らは、プロに挑戦しても勝てる(かもしれない)と考えているフシがある。
要するに、ヘタが来たら、みんなで協力してでもカモるのがポーカーというゲームであることを知っておいてもらいたいのである。ポーカーは決して、ズバ抜けたプレイヤー1人が大勝して、残りが負けるタイプのゲームではない。







