面接で身ぶりを交えて話す中高年の男性写真はイメージです Photo:PIXTA

「部長まで務めた」「大型案件を成功させた」――。50代の転職では、これまでの実績が大きな武器になると思いがちだ。ところが、面接で過去の成功体験を延々と語るほど、評価を下げてしまうことがある。実際に、30分間も自慢話を続けた元営業本部長もいた。経営幹部候補を数多く見てきた筆者が、50代の転職で陥りやすい「3つの落とし穴」と、そこから抜け出すための方法を明かす。※本稿は、経営コンサルタント・僧侶の安永雄彦『定年で終わる人、終わらない人 豊かに生きるための5つの智慧』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

会社人間の「鎧」が
転職の邪魔をする

「これは本当に必要だろうか」「これは今の自分にふさわしいだろうか」。そう問い続けることで、少しずつ、心は軽くなっていきます。

 そして、軽くなるということは、自由になるということでもあります。鎧を外せば、動きやすくなります。固定観念を手放せば、新しい可能性が見えてきます。他者との比較をやめれば、自分のペースで歩めるようになります。

 これまで守ってきたものを、少しずつ手放すことで得られる軽さこそが、人生後半を豊かに生きるための力となるのです。

 会社人間としての「鎧」をまとい続ける人たちの心理について考えてみましょう。

 過去の成功体験や完璧主義を手放せない人は、自分の置かれた現実を直視できていないことが明確です。昔の成功の話を得意げに話す人は、聞く人がどのように感じるかについての感受性を持ち合わせていないことが多いようです。自分の得意話に、聞き手も無条件で賛同するはずだといった幼稚な前提を持つ、人格的な未熟さが目立ちます。

元・営業本部長は30分間も
かつての自慢話を続けた

 私がエグゼクティブ・サーチコンサルタントとして多くの経営幹部候補者と面談してきた中で、手放せない人には典型的なパターンがありました。具体的な事例を通じて、それぞれのパターンと、私がどのようなアドバイスをしてきたかをお話しします。