Gさんは、大手商社で30年間勤務され、営業本部長まで昇進された方でした。55歳で役職定年となり、新しいキャリアを探しておられました。
面談の最初の30分、Gさんは自分の過去の実績を語り続けました。
「私が担当した○○プロジェクトは、総額50億円の大型案件でしてね。あのときは、相手国の大臣と直接交渉して……」
確かに素晴らしい実績です。しかし、私が「では、次のキャリアでは何を実現したいですか?」と問いかけても、また過去の話に戻ってしまうのです。
このタイプの方へのアドバイスは、「5分ルール」と「聞き手中心の原則」です。
「Gさん、面接では自己紹介を5分以内にまとめてください。面接官が知りたいのは、『あなたが何をしてきたか』よりも、『あなたがこれから何ができるか』です。過去の実績は、未来の可能性を示すための材料に過ぎません」
また、こうもお伝えしました。
「話すときは、常に聞き手の表情を見てください。相手が退屈そうにしていたら、それはあなたの話が自慢話に聞こえているサインです。実績を語るときは、具体的な数字は入れつつも、『チームのおかげで』『運が良かった』という謙虚さを忘れないでください」
Gさんは、最初は戸惑っておられましたが、模擬面接を繰り返すうちに変化が見られました。実績を簡潔に述べ、すぐに「御社では、この経験を活かして○○に貢献したい」と未来志向の話ができるようになったのです。結果として、中堅企業の営業担当役員として転職に成功されました。
相手の質問に答えず
自分の話を続ける人
Iさんは、大手メーカーの技術部門で長年勤務された方でした。面談で私が質問をしても、質問には答えず、延々と自分の専門分野の話を続けるのです。
「Iさん、○○社が求めている人材像について、どうお考えですか?」
「ええ、それより私が開発した○○技術についてお話ししたいのですが……」
相手の質問に答えず、持論を展開し続ける。これは致命的です。このタイプの方には、「質問に答える訓練」をしていただきます。
「面接は会話です。一方通行の講義ではありません。質問されたら、まずその質問に30秒以内で答えてください。その後、『関連して申し上げますと』と付け加えることはできますが、まず質問への答えが先です」







