中国南京の「ロマンチックセンター」で写真用のポーズを取る若いカップル
【南京(中国)】ガオ・ウェンジアさんはソーシャルメディアのフィードで南京の「ロマンチックセンター」を見つけた瞬間、ここで結婚しようと思った。自宅から3200キロメートル以上移動する必要があるとしてもだ。
ロマンチックセンターはさえない役所ではない。湖畔の公園内にたたずむ「結婚の聖地」は、ハートの形をしたピンク色の風船と赤い花で飾り立てられている。「愛は翡翠(ひすい)の留め金のごとし」とうたう詩が掲げられ、地下の写真スタジオは花のアーチやローマ様式の柱、シャンデリアで装飾されている。
人口減少に直面する中国 政府は、婚姻数と出生数を増やしたい考えだ。その実現に向けて、婚姻登記所を魅力的な旅行先に変えるという、賭けに近い戦略が実行されている。
政府はさらに新婚旅行の割引券や 新生児への現金給付 を提供し、「出産に優しい社会」を築こうとしている。
南京で結婚証明書を取得するカップルたち。中国では、カップルが婚姻登記を行うには役所に出向く必要がある
結婚証明書に押印するカップル(南京)
ガオさんと花嫁になるドン・ペイペイさんは正式な婚姻手続きを済ませるため、自撮り棒や花束を持ったり、ペットを連れたりしている他のカップルと列に並んだ。中国最西端の新疆ウイグル自治区から南京にやって来た2人は、数分で正式に夫婦になった。
「ここには写真撮影にぴったりなソーシャルメディア向けのスポットがたくさんある」とドンさんは話した。
中国では、カップルが婚姻登記を行うには役所に出向く必要がある。この手続きは従来、単なる事務作業で、本当の結婚のお祝いが行われるのは、他の場所で開催される結婚披露宴だ。
しかし政府はこの手間をより楽しいものにする機会を見いだした。中央政府は昨年、規制を緩和し、カップルが出身地以外でも婚姻登記をできるようにした。その結果、結婚関連の観光需要を取り込もうと地方政府の間で競争が起きている。







