近すぎる!
ハノイの驚きの鉄道風景

 車内は台形の断面に、プラスチック製の座席で、いかにも「海外の地下鉄」だ。12.3キロに26分を要するため、表定速度(停車時間も含めた平均速度)は時速28.2キロ。これは東京の地下鉄では丸ノ内線(同29.2キロ)と同等で、地上区間が長い東西線(各駅停車 同36.1キロ)と比較すると遅い。最高速度も時速65~70キロ程度しか出していないようだ。延伸後はスピードアップするのかもしれない。

「巨大すぎる駅」「近すぎる鉄道」バイク800万台のハノイで見た“驚きの光景”【写真多数】車内の様子(筆者撮影)

 運行本数は朝ラッシュが毎時10本、それ以外は毎時6本であり、それほど待たずに使える。沿線は中層住宅が途切れずに続き、通勤需要の大きさを感じさせる(残念ながら朝ラッシュの体験はできなかった)。

 続いて3号線だ。カウゼイ~ニョン駅間は、2A号線よりさらに短い7.6キロで、所要時間は16分。表定速度は2A号線とほぼ同じ時速28.5キロだ。運行間隔は10分間隔だ。カウゼイ~ハノイ駅間4.4キロが開業すると全長12キロとなり、初めて国鉄ハノイ駅と接続する。

「巨大すぎる駅」「近すぎる鉄道」バイク800万台のハノイで見た“驚きの光景”【写真多数】3号線カウゼイ駅(筆者撮影)

 ただし、国鉄はほぼ全区間が単線非電化という旧態依然の鉄道だ。その象徴が、ハノイ駅の北にある観光地「トレインストリート」だ。線路に沿って多数の飲食店や土産物屋が並んでおり、1日10本程度、ディーゼル機関車が20両近い客車を牽引する列車が時速10キロ程度でゆっくりと通過する。これを沿線のカフェから眺める「映えスポット」だ。

「巨大すぎる駅」「近すぎる鉄道」バイク800万台のハノイで見た“驚きの光景”【写真多数】トレインストリート(筆者撮影)

 余談だが、重厚長大な客車列車を走らせるだけに、レール、コンクリートまくら木とも高規格で、整備状態も良い。牧歌的背景に反して近代的な線路の上を歩いていると、不思議な気分になる。なお、国鉄の都心区間は今後、後述の「1号線」と一体的に作り変えられ、都市鉄道ネットワークに組み込まれる計画だ。トレインストリートもそう遠くない未来に姿を消すのだろう。