ギターを弾く笑顔の中年男性写真はイメージです Photo:PIXTA

ふと「仕事以外に自分には何があるだろう」と考えたことはないだろうか。仕事一筋の生き方は充実感がある一方、定年などで仕事を離れたとき、心のよりどころまで失ってしまう危険があるという。そんな事態を防ぐために、今から始めておきたいこととは。※本稿は、東北大学加齢医学研究所臨床加齢医学研究分野教授の瀧 靖之『「中年の壁」を乗り越える最良の方法』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。

複数の道ができると
心に余裕がもてる

 仕事一筋、子育て一筋など、1つのことに人生を注ぐ生き方は理想的です。

 しかし裏を返せば、それ以外に行き場がない状態といえるのも事実。そのため、限界を感じたり挫折を味わったりしたとき、逃げ場がなくなってしまう危険があります。

 仕事一筋で定年を迎えたとき、いわゆる「燃え尽き症候群」といわれる、無気力になったり、うつ状態になったりする人も少なくありません。ミッドライフクライシスに陥りやすいのも、このようなタイプです。

 そこでおすすめしているのが、知的好奇心に従って、趣味をもつこと。それさえあれば、あるとき突然道を失っても、まだ自分には別の道=「逃げ道」があると思えるからです。心にも自然と余裕が生まれます。

 ちなみに、脳は複数の部位を使うと、その神経細胞同士をつなぐ道が増えます。それによって脳の潜在能力が高まり、結果、仕事の処理能力や発想力が増大します。つまり、趣味が仕事の能力を上げることは、脳科学的にも説明がつくのです。実際に私が出会った人でも、趣味の多い人ほど、仕事ができるように感じます。

図表 趣味をもつことが将来を生き残る術同書より転載 拡大画像表示