100日が経過し、真価が問われる Photo:医薬経済社
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。
本誌が刊行される10月1日は奇しくも、武田薬品のジュリー・キム社長CEOが株主総会で承認を得た6月24日から数えて100日目に当たる。マーケットが新しいトップの門出を温かく見守るいわゆる「ハネムーン期間」は、この日をもって終わりとなる。
武田の「グローバル化」を口実に、同社が貯めに貯めた2兆円に及ぶ現預金を使い切り、今年7月に亡くなっていた2代前の社長・長谷川閑史氏の社長在任期間が4018日、武田を借金まみれの会社に落としめた先代社長のクリストフ・ウェバー氏のそれが4380日であったのと比べると、キム氏の治世は始まったばかりだ。実績を大上段から検証する段階にはまったくないことは承知のうえで、あえて、これまでの短い軌跡の感想と当面の課題並びに焦点について語ってみたい。
「聞く力」というと通常は、小説家でエッセイストの阿川佐和子氏のベストセラーを想起するところだが、業界的にはキム社長の才腕を示すようだ。命名主の日本経済新聞によると、幼い頃に韓国から米国に渡り、厳しい競争社会におけるマイノリティの生存戦略として、他人の声に敏感になったと伝えている。多種多様な意見を咀嚼することを通じて洞察を深めたり、新たな発想を育んだりしたそうだ。シャイアー並びに武田の米州組織においても彼女は「聞く力」と巧みなバランス感覚を武器に頭角を現し、ほどなく、自身の後継探しを迫られていたウェバー氏のお眼鏡に適うことになった。







