近代日本では西洋から科学や合理的思想が導入されるにつれ、漢語が多用されるようになりました。漢字は組み合わせて新語を造るのに便利で、「哲学」「民主主義」といった言葉が生み出されました。近年では国際化やIT技術の発展により、海外から流入した新しい概念や文化をそのまま表す言葉として外来語も多用されています。
一方、日本固有の大和言葉は、日本的な柔らかいニュアンスや繊細な感情を表します。このような感覚は漢語で伝えることが難しく、大和言葉を使ったほうがしっくりきます。
たとえば、「故郷」と「ふるさと」。どちらも生まれ育った土地を指す言葉ですが、「故郷」が客観的な印象を持つのに対し、「ふるさと」には心のよりどころや懐かしい思い出といった情緒的なニュアンスが感じられます。
現代社会では、公的な場面では漢語がよく使われますが、ときには大和言葉に置き換えてみると、いつもとはちょっと違う温かみのある文章になるかもしれません。
●ここで問題です。次の言葉と、同じ意味の大和言葉を選びましょう。
Q1 質素、倹約であること
1:むつまやか
2:つづまやか
3:つまびらか
例)「自給自足で〇〇な生活を送っている」
Q2 程度がはなはだしいこと
1:あごあしつき
2:すこぶるつき
3:おりがみつき
例)「あの店は〇〇の人気店だ」
Q3 シェアすること
1:おもねり
2:おとない
3:おもやい
例)「デザートはみんなで〇〇にしよう」
Q4 その場しのぎで適当にすませる様子
1:おざなり
2:なおざり
3:なおざね
例)「〇〇な対応に腹が立つ」
Q5 全体的に、一様に
1:すべからく
2:おしなべて
3:あまつさえ
例)「新商品のレビューは、〇〇高評価です」
ていねいな漢語がかえって
冷たい印象を与えることもある
近年は、漢語や外来語を使うことが増え、大和言葉を使う場面は減ってきています。漢語や外来語は事実を端的に伝えることができるので、スピードを重視する現代社会に適しているのでしょう。けれども、私たち日本人にとって、日常会話で大和言葉を使うことにはさまざまなメリットがあります。







