ドナルド・トランプ米大統領はかつて「関税」を辞書で最も美しい言葉だと評した。だが、彼はそれを政治で最も嫌われる言葉の一つにしてしまった。民主党候補は中間選挙に向けた広告で、関税批判を繰り返している。一方、共和党候補はおおむね沈黙を保っている。例外の1人は、ミシガン州の上院選を戦っている共和党候補のマイク・ロジャース氏だ。同氏はカナダ産のビールを手にして「この関税戦争を今すぐ終わらせよう」と訴え、トランプ氏が仕掛けた貿易戦争に巻き込まれている。関税に対する悪評は、中間選挙における共和党の勝算ばかりか、トランプ氏自身の政治的遺産も脅かしている。トランプ氏は大統領1期目に、政治的コンセンサスを自由貿易から引き離すことに成功した。そして2期目には、税や貿易に関する政策に関税を一段と組み込むこともできたはずだ。だが今では、それは実現の見通しが薄れており、特に民主党が上下院のいずれか、あるいは両方を制した場合、極めて困難になるだろう。