「マーカー引きまくり! 絶対読むべき一冊」と東証プライム上場社長・木下勝寿氏が絶賛する『スタートアップ芸人』著者の森武司氏は、お笑い芸人からニートを経て起業。年商146億円、18年連続増収増益の会社をつくり上げた。
今回は、その本に強く共感した株式会社アドバンスの品川瑞樹社長に「不機嫌な人を直す方法」を聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【職場にいる】「不機嫌な人」を一発で変える一言Photo: Adobe Stock

普段は怒らない社長が1つだけ見逃さないこと

――「職場にたった一人、不機嫌な人がいるだけで、チーム全体の空気が悪くなる」と悩む管理職は多いと思います。

品川瑞樹(以下、品川):私は普段、あまり感情的にならないようにしています。
指摘をすることはもちろんありますが、基本的にはいつもニコニコしているつもりです。
ただ、一つだけ、口調を強めて指摘することがあります。
それが、周りに伝わるような不機嫌を出しているときです。

――不機嫌そのものではなく、「周りに伝わる」ことが問題だと。

品川:一人で不機嫌になっている分には、それは本人の自由だと思っています。
機嫌が悪い日は誰にでもありますから。でも、それが態度に出て、一緒に仕事をしている相手にまで伝わってしまうのは、やめてほしいと思っています。
箱の中に一つ傷んだみかんがあると、カビがほかのみかんに移っていきますよね。職場の不機嫌も、それと同じです。

「イライラしてる? やめれる?」

――実際には、どう伝えるんですか。

品川:「イライラしてる? やめれる?」とストレートに聞きます。
ただ、体調が悪いだけのこともあるので、まずは「今日、ちょっと体調悪いの?」と確認します。体調の問題ではないとわかったら、そこで「それ、やめれる?」と伝えます。

――ずいぶん直接的ですね。

品川:遠回しに言うと、かえって伝わらないんです。
それに、指摘しないまま放っておくと、周りのメンバーが気をつかい続けることになる。私が見過ごすことで、まじめに働いている人のほうがしんどくなるのは避けたいんです。

無理に同じ場所にいなくていい

――それでも直らなかったら?

品川:そのときは、場所を変えていいよ、と伝えます。
当社は出社を義務にしていないので、家に帰って在宅で仕事をしてもいいし、カフェでやりたいならスタバのカードを渡すから行っておいで、と。どちらでもいいよ、という伝え方です。

――罰として帰す、というわけではないんですね。

品川:まったく違います。その人を責めたいのではなく、周りに広げないでほしい、というだけなんです。不機嫌な本人も、無理に同じ空間にいるより、一人になったほうが楽なこともあると思います。

強く言った人に週末に送るカード

――とはいえ、強く指摘したあと、関係がぎくしゃくすることはありませんか。

品川:あります。私としては単なる指摘のつもりでも、相手が思った以上に落ち込んでしまうこともある。
そこで今期から始めたのが「ありがとうカード」です。
毎週末、メンバー同士で何枚でも送っていい感謝のメッセージで、「ここが助かった」でも「ニコニコしてくれていて救われた」でもいい。
強く言ってしまった相手には、そのカードで「あそこはすごく改善していて、めちゃめちゃよかったよ」と送るんです。

――わざわざ呼び出して謝るのとは違うんですね。

品川:改めて伝える機会は、なかなかつくれないんです。
でもカードを送る場が毎週あれば、「気にしていないよ」ということが自然に伝えられます。

――強く言うことと、関係を大切にすることは両立するんですね。

品川:そうですね。指摘を遠慮すれば、不機嫌な空気がそのまま残ってしまう。かといって言いっぱなしでは、相手との関係が崩れてしまう。だから私は、強く言うことと、感謝を伝える場を、いつもセットで考えています。

――『スタートアップ芸人』にも「仲間との絆を深めるしくみ」という章があります。

品川:その中の「悪口、陰口を言わないしくみ」には、すごく共感しました。
森社長の会社では「No lie, No hate」、つまり「清く、正しく、輝かしく。」という行動指針を掲げていて、社員の悪口や陰口に悩まされたときの解決法まで書かれています。
うちでも「悪口ゼロ」を大事にしていますが、職場の空気は気合ではなく、しくみで守るものなんだと改めて感じました。職場の空気に悩んでいる方には、参考になるかもしれません。