PE市場、ソフトウエア企業に迫る巨大な「満期の壁」Photo:Lemon_tm/gettyimages

 プライベートエクイティ(PE)投資会社は、保有する企業が大量にデフォルト(債務不履行)する可能性に備え、多額の損失を回避しようと奔走している。

 PE投資会社は、2028年から期限を迎え始める3000億ドル(約47兆3000億円)規模の債務の大部分について、ローン期間の延長交渉を急いでいる。金利上昇のため今年に入ってから借り換えコストが一段と膨らんでいることから、対応が急務となっている。その債務の多くは、アンソロピックのような人工知能(AI)企業に取って代わられるリスクのあるソフトウエア企業向けだ。アンソロピックは26日、大型の新規株式公開(IPO)を申請した。

 ローンの延長を得られないバイアウトファンドのマネジャーは、保有する企業が債権者に乗っ取られ、投資が水の泡となるリスクに直面する。

「銀行に鍵を返すことになり、事業が立ち行かなくなる企業が出てくるだろう」と、コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーのグローバルPE部門を統括するヒュー・マッカーサー氏は述べた。

 大半の企業は予防策として、多額の債務を償還期限の18~24カ月前に借り換え、その期間中に満期を迎える債務の額を削減している。しかし、PE投資会社が保有している企業にはこれが難しく、今後数年間で「満期の壁」は異例の高さになるとみられる。

 リスクの高い企業向けローンのうち約1400億ドルが2028年に、さらに1600億ドルが2029年に満期を迎える予定だ。これに対し、2023年から2025年にかけては2年間で平均約600億ドルが満期を迎えていた。