米軍ドローンの爆薬不足、新興企業が生産に名乗りオーディン・エナジェティクスは、化学企業ソリュージェンと、弾頭や信管などの部品を製造する新興企業クラーケン・キネティクスの合弁会社だ

 米軍は現代戦への対応を進める中、今後数年で数百万機のドローン(無人機)を購入する計画だ。だが、問題がある。これらのドローンを爆発させるための材料がないのだ。

 爆薬の慢性的な不足は、兵器備蓄を補充し、紛争の様相を決定づけるようになった無人システムを部隊に配備するという 米国防総省の計画 を脅かしている。米国内の供給は第2次世界大戦以降に衰退し、老朽化し過重な負担を抱えた少数のサプライヤーだけが残され、産業基盤は1940年代のまま取り残されている。輸入品の確保もますます難しくなっている。

 これは頭の痛い問題であり、ウクライナでの戦争が欧州の供給の多くを消費し、 イランとの戦争 が米国の手持ちのわずかな在庫を食いつぶしていることで、一段と深刻化している。こうした状況は、備蓄を積み増し、兵器のサプライチェーン(供給網)のあらゆる段階で自立性を高めることで、中国との間で起こり得る紛争に備えようとする米国の取り組みを一層複雑にしている。

 爆薬は、エナジェティクス(エネルギー物質)と呼ばれる分類に属する。これは推進剤やその他の焼夷剤も含む、エネルギーを放出する化合物だ。兵器をより遠くまで、より速く飛ばし、より大きな破壊力で標的に命中させるための物質である。採鉱、石油掘削、建設などの産業でも使われており、重要鉱物の生産を国内に回帰させるというトランプ政権の政策課題にとっても不可欠だ。

米軍ドローンの爆薬不足、新興企業が生産に名乗り爆発物の重さを調べる従業員

 米戦略予算評価センターの研究員、タイラー・ハッカー氏は「どのような紛争であれ、規模の大小を問わず、エネルギー物質は軍が保有するあらゆる兵器システムの中核にある。そこにこの問題の緊急性がある」と指摘した。