ウクライナで行き詰まるプーチン氏、欧州への攻撃懸念高まるキーウはここ数週間、ロシアからミサイルの波状攻撃を受けている
Serhii Korovayny for WSJ

【タリン(エストニア)】ロシアはウクライナ戦争で行き詰まり、首都キーウへの大規模攻撃で憂さを晴らしている。欧州では、膠着(こうちゃく)状態を打開するため、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が戦争を域内に拡大するのではないかという懸念が高まっている。

 ロシアはここ数週間、バルト三国に対してますます好戦的な発言を繰り返している。ウクライナのドローン(無人機)操縦士を受け入れているとしてラトビアを非難し、同国の「意思決定機関」への爆撃も辞さない姿勢を示した。ロシア側の主張をラトビアは否定している。リトアニアでは先週、ベラルーシからロシアのドローンとみられる機体が領空に接近したことで空襲警報が鳴り響いた。

 ロシア国防省は、ウクライナとともにドローン生産に関わっているとする欧州8カ国の企業の住所を公表。ウクライナへの軍事支援を停止しなければ「予測不可能な結果」と「急激なエスカレーション」を招くと警告した。

 ロシアが欧州域内に戦争を拡大するのではないかという懸念は新しいものではないが、最近の動向によってその緊迫感は増している。欧州の複数の国家安全保障当局者は、ロシアがバルト三国のいずれか、バルト海にあるスウェーデンとデンマークの島々、あるいは北極圏の北大西洋条約機構(NATO)加盟国領土を標的にすることで、NATOの結束力を試す可能性があると警告している。