今月も目標を達成した。次の四半期はさらに上を目指す。SNSでは毎日発信を続け、休日も何かを生み出していないと落ち着かない。成果を出し続けることは、誇らしいことのはずだ。だが、右肩上がりを求めて走り続けたその先に、何が待っているのかを考えたことはあるだろうか。書籍『小さな実験』をもとに解説する。

「前回以上」が、当たり前になっていく
一度よい結果を出すと、次はそれが基準になる。前回と同じでは物足りず、少しでも上回らなければ停滞しているように感じる。評価する側だけでなく、自分自身もそう考えるようになる。
こうして、成果の基準は少しずつ引き上げられていく。去年の自分を超え、先月の自分を超え、昨日の自分を超える。止まることが許されない坂道を、ひたすら登り続けるような状態だ。
(『予想だにしないほど人生が大きく動き出す 小さな実験』より)
どれほど能力の高い人でも、出し続けるだけでは、いずれ蓄えが尽きる。燃え尽きは、意志の弱い人に起きるものではない。むしろ、真剣に結果を求め続けてきた人ほど行き着きやすい場所なのである。
途切れない成果という幻想
私たちは、成果が一直線に伸び続けるのが理想だと思い込んでいる。だが、自然界を見渡してみると、そんなふうに成長するものはほとんどない。木々は冬に葉を落とし、畑は作物を育てたあとに土を休ませる。実りの季節があれば、力を蓄える季節もある。
人の仕事も、本来は同じはずだ。新しいアイデアが次々と湧く時期もあれば、何も思い浮かばない時期もある。大きな成果を出したあとには、次に向けて考えを熟成させる時間が必要になる。その波を無視して、常に最高の状態を保とうとするから、どこかで無理が生じる。
「出さない時期」も計画に入れる
では、どうすればいいのか。ひとつの方法は、成果を出す時期と、充電する時期の両方を、あらかじめ計画に組み込んでおくことだ。
たとえば、大きなプロジェクトを終えたあとの1~2週間は、新しい挑戦を入れずに、振り返りやインプットにあてる。毎日発信している人なら、週に一度は何も出さない日を決めておく。そうした時期を「サボり」ではなく、次の成果を生むための準備期間として位置づけるのである。
また、成果を測る期間を少し長くとってみるのもいい。今月の数字だけを見るのではなく、一年という単位で振り返る。そうすれば、伸び悩んだ月も、全体の流れの中の一部として受け止められるようになる。
実りの季節だけを追い求めるのではなく、休む季節も含めて一つのサイクルとして捉える。その視点を持つことが、長く力を発揮し続けるための土台になる。
長く成果を出し続けるために必要なのは、一度も立ち止まらずに走り続けることではない。実りのあとに、土を休ませる時間をきちんと用意しておくことだけでいい。




