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年商3300億円超の通販大手モノタロウも、創業期には資金が尽きるまでの「残り日数」を壁に貼り出すほど追い詰められていた。価格を公開して安売りを進めると、既存の機械工具商から猛反発を受け、今度は国内メーカーや卸売業者から商品を仕入れにくくなる。窮地に立たされた創業者の瀬戸欣哉氏が向かったのは、台湾、韓国、中国だった。日本の商慣習に阻まれた新興企業は、いかにして世界に仕入れ先を開拓していったのか。※本稿は、ジャーナリストの秋場大輔『時価総額1兆円企業の作り方 モノタロウの9000日戦記』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
壁に貼られた「あと○日」は
会社の残り時間だった
ペンシルビルの事務所の壁には「あと○日」という紙が貼られるようになった。「住商グレンジャー版バーンレート」だ(編集部注/住商グレンジャーは、モノタロウの旧社名)。
一般にバーンレート(資金燃焼率)は1カ月間のキャッシュアウト(資金の流出)を指し、「みんなで節約しましょう」という動機づけをするもの。しかし住商グレンジャー版は「あと何日で資金が枯渇するか」を示したもので、より切実だった。その日にちが少しでも増えるように、瀬戸欣哉(編集部注/住友商事のeコマースチーム長としてモノタロウを創業し、2001年6月に社長就任)は金策に走り、鈴木雅哉(編集部注/住友商事から出向し、創業期はシステムと商品データベースの構築などを担当。後に社長就任)らは営業を続けた。
創業当初の住商グレンジャーにはいい話がない。かろうじてあった明るい話題は2001年2月、日刊工業新聞に「米グレンジャー社、日本上陸」という記事が載ったことくらいだろう。
「米国の資材流通大手、グレンジャー社(イリノイ州)の動向に注目が集まっている。同社は工具類や部品のほか、照明器具、安全用品などの工業用副資材(MRO)をネット販売する企業で、2000年10月に住友商事と合弁で住商グレンジャーを設立。この1月にはアルファパーチェスに対して約5億6000万円の出資を完了した。具体的な動きはこれからだが、本格化すれば国内でのネット販売が一気に加速しそうな気配で、従来の流通形態を変える可能性もある」(2001年2月16日付日刊工業新聞)







