価格公開が機械工具商の
猛反発を招いた
主戦場を中小企業相手に変えたのが2002年早々。これが当たって注文が増え、物流施設を持つことにしたのが夏だった。年が明けてチラシに巨費を投じると顧客はさらに増え、2004年6月に念願の単月黒字を達成した。
もっとも良いことばかりが続くとは限らないのが世の常で、「価格の公開」「一物一価」の戦略は間接資材を販売する既存の業者を大いに刺激していた。最初の表立った反発が起きたのは2002年6月。全国に散らばる機械工具商の業界団体、全日本機械工具商連合会(全機工連)の通常総会での出来事だった。
傘下の団体で、関東近県の事業者で構成する両毛機工会が、「既存の事業者を無視した価格を表示するグレンジャーから流通を守るため、全機工連として(モノタロウに製品を卸している)メーカーに文書などで抗議しよう」と提起。総会ではこの提案を受けて特別委員会を新設し、対応することを決議したのだ。
2002年8月5日付日経産業新聞はこの動きを報じている唯一の記事だが、記事中に当時の住商グレンジャーの業容や商品価格が載っているので紹介しておく。
「機械工具の価格は『研磨ディスク』ならば1枚500円が44%引きの280円、『切削工具・チップ』の場合、同330円が300円、雑貨類では50~70%の目玉商品が並ぶ。会員企業は現在1万1000社」
たしかにこれだけ安売りされれば、既存の工具商もたまったものではないだろう。
記事には取材に応じた瀬戸と両毛機工会幹部それぞれの主張も載っている。間接資材販売を巡る当時の環境を知ることができるので、こちらも記しておこう。まずは瀬戸の主張だ。
「大半の中小企業は地域の流通業者の言い値で買っており、大企業に有利な価格設定となっている」
対して両毛機工会は「われわれの顧客は中小企業や零細企業が大半で手形決済が主流。取引は常に大きなリスクを抱えている。また、一件一件訪問しながら細かい注文にも応じている」
中小零細企業の支払いはほとんどが手形で、手形が落ちないリスクがある。しかもユーザーに機械工具の使い方を説明している。これは通販ではできないことで、痒い所に手が届くサービスが販売価格に乗っている。反論はつまりそういうことを言っている。







