ビジネス、進路、就職。何か新しいことをやろうとしたときに、周りに反対されたりバカにされたりすることはとてもよくあること。では、そのような発言に出会ったときにどのように考えれば良いのでしょうか?世界初をつくる過程で常にその「反対」と戦ってきた生田教授が語る、人気連載第7回。
周囲の声を気にしないコツ
新しいことをやろうとするとき、周囲から反対意見が出てきます。これは、どんなに優れたアイデアであろうと、あるいはどんなに根回しをしていようと、必ず出てくるものだと覚悟してください。
わたしなどはもう周りから反対されるのに慣れっこになっていますが、若いころは反対される度に気にしていました。そのときペンシルロケットの糸川先生による「いい研究(企画)とは、10人中8人が反対する研究(企画)である」という言葉に大いに勇気づけられたのは、前の連載でお話ししたとおりです。
そしてもうひとつ、周囲の声を気にしないコツとして「新しいことをやろうとしたら、どんな声が飛んでくるか」を具体的に知っておくことが挙げられます。
これについて以前、非常に感銘を受ける話を聞いたことがあります。1970年に「数学のノーベル賞」と呼ばれるフィールズ賞を受賞され、1975年には文化勲章も受章された、広中平祐先生による言葉です。1996年、広中先生は日本機械学会での基調講演の中で、こんな話をされました。