不常識な考えはロジカルに生み出せる!他の人から突き抜けられる思考やアイデアを生み出すその秘密を、初めて公開。世界初をつくり続ける東大教授の話題の連載、第6回。
「非まじめ」なアイデアのつくり方
世界のHONDAこと、本田技研工業の創業者である本田宗一郎さんは、生前に「不常識を、非まじめにやれ」と語っていたそうです。そう、奇しくもロボット工学の第一人者、森政弘先生と同じ「非まじめ」です。
本田宗一郎さんの慧眼は、「非常識」を否定されていたことです。
単に「非常識=めちゃくちゃ」なことをやっても、なにも生まれない。非常識ではダメだ。めちゃくちゃなことをするのではなく、常識の枠を越えた「不常識=新しい常識」をつくるのだ。そして新しい常識をつくるためには、頭でっかちにならずに「非まじめ」な自分でいることが重要なのだ、と。
たしかに、わたしも新ジャンルをつくるような独創を推奨しているわけですが、それが単なる「非常識=めちゃくちゃ」になるようでは困ります。独創が「めちゃくちゃ」にならないためには、なんらかの指針が必要でしょう。そこでわれわれの研究室で掲げているのが、次のような指針です。
(1)違う「テーマ」を考える
(2)違う「方法」を考える
(3)違う「結果」を考える
この3つについて語るとき、わたしはいつも登山を例に説明するようにしています。それはどういうことでしょうか?