ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!

【特別寄稿】ドコモのiPhone取り扱いが迫る、
国内メーカーに残された戦略

宝珠山卓志 [株式会社D2C 代表取締役社長]
【特別寄稿】 2013年9月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
3

 日本のモバイル市場には、世界でも稀有な成功事例が二つある。「らくらくホン」と「キッズケータイ」だ。たとえばキッズケータイの場合、世界を見ると、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)のモデルでは類似したカテゴリーの商品が存在するが、垂直統合で、このサービスを展開している例はないのではなかろうか?

 ちなみにMVNOとは、移動体回線網を自社では所有せず、所有する他の事業者(携帯電話キャリア)から借りて(再販を受けて)、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のことだが、世界中であまり成功した事例は見られない。

 稀有な成功事例としてはディズニーのケースが有名だが、ディズニー・モバイル・オン・ドコモを見てみると、ディズニーの長編アニメやライブアクション映画などの動画コンテンツ、またBSデジタル放送に開局した専用チャネルで放送される海外ドラマなどが視聴できるオリジナルアプリや壁紙などが提供されている。また、東京ディズニーリゾートで特典が提供されたり、ディズニーキャラクターのデコメールも利用でき、@disneymobile.ne.jpドメインのメールアドレスが追加取得できることなども、ディズニーファンには嬉しいメリットであるが、グローバルブランドのディズニーぐらいしか、上手く回らないのが現状である。

 結果、一時期のようなどの企業にもMVNO待望論があった状況は一気に冷めてしまった。現在、スマートデバイスを使う顧客のロイヤリティを向上させる施策は、既にアプリやウェブサービスを活用するものに関心が移っている。

 飽和した日本の市場で着実な市場がある「キッズケータイ」や「らくらくホン」は海外でも確実なニーズがあり、そういったターゲットオリエンティドなジャンルはまだまだグローバルで開拓余地があるものと推察される。この二つのサービスについては、次回に検証したい。

previous page
3
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

宝珠山卓志
[株式会社D2C 代表取締役社長]

1972年2月9日生まれ・東京育ち・妻と子供一人・趣味はシャンパーニュ。
1995年早稲田大学社会科学部卒業後、電通入社。マーケティング局配属後、第7営業局NTTドコモ担当。2000年D2Cへ出向。営業部長、営業推進部長を経て、2004年取締役COOに就任。2010年代表取締役に就任。現在に至る。

宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!

モバイルマーケティングの第一人者が、業界動向や日々の話題にふれつつ、日本あるいは日本企業が持っている力の再検証と、それらを踏まえたグローバル市場における日本企業のポテンシャルを前向きに検証していく。

「宝珠山卓志 モバイルフロンティアを駆け抜けろ!」

⇒バックナンバー一覧