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【マーケティングとIT】
ソーシャル時代の顧客と、企業はどう向き合うべきか

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第2回】 2013年9月19日
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 社会や市場における変化を受けて、企業と顧客との関係性も変わってきている。従来は、企業と顧客との関係は、「1対多」の取引関係によって成り立っていた。顧客と顧客がつながることはなかったため、個別の存在として認識しておけばよかった。

 前述の縦社会と同様の構造が成り立っており、企業がより多くの情報をもち、十分に情報をもっていない顧客に対して優位な立場を堅持することができた。そこには、「説明し売り込む企業」と、「聞いて買う顧客」という一方通行の関係性があった。顧客の不満や問題に対しても、個別に対応することで対処できた。

 一方、横社会そして網社会へと社会や市場が変容していくと、企業が知らないところでも顧客と顧客がつながって自由に情報をやりとりするようになる。また、顧客同士だけでなく、自社のパートナーや競争相手とも何らかのつながりをもつことも想定され、企業と顧客の関係は1対多から「多対多」の関係へと変わることを前提としなければならない。

 さらに、顧客は物言わぬ受動的な存在ではなく、企業に対して影響を及ぼす存在となり得る。関係性は双方向となり、顧客を商品開発や販売促進の協力者にすることも可能となる。

 このような関係において企業は、顧客のみならず、顧客の背後にいる潜在的な顧客、サプライヤーやパートナー、場合によっては競合企業とも協調的なつながりをもつことが求められる。

顧客コミュニティを
どう味方につけるか

 網社会が形成される時代においては、顧客を個別の存在と捉えるだけでなく、顧客同士がつながっていたり、顧客の背後に潜在的顧客が存在したりしていることを想定しなければならず、顧客のコミュニティを意識した活動が求められる。

 スーザン・フォルニエ氏とララ・リー氏(「ブランド・コミュニティ 7つの神話と現実」ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー2010年10月号)によれば、消費者のコミュニティには、「プール型」「ウェブ型」「ハブ型」の3つのタイプがある。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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