昼間行く?深夜に行く?
病院に行く時間で医療費は3倍も変わる!
同じ会社に勤めるSさんとTさんは、仕事帰りに立ち寄った居酒屋で食べた刺身にあたり、その日、家についてから腹痛、嘔吐を繰り返しました。お腹の傷みに耐えられなかったSさんは、その日の深夜12時に救急患者を受け付けてくれる地域の病院を受診。一方、Tさんは一晩様子を見て、翌朝、診療時間が始まってから診察を受けました。
ふたりが受診したのは地域の中小病院で、医師の問診を受けて薬の処方せんを書いてもらっただけで診療内容も同じです。ところが、医療費の自己負担額は、Sさんが2460円だったのに対して、Tさんは1020円。同じ診療内容なのに1440円の差が出たのは、ふたりが病院に行った時間に理由があります。
病気やケガで、はじめて医療機関を受診したときにかかる基本料金は、通常2700円です。しかし、その病院があらかじめ決めている診察時間以外に治療を受けると、特別料金が加算されることになっています。
深夜に病院を受診したSさんは、通常料金2700円に加えて4800円が加算されたため、薬の処方せん料700円(後発医薬品加算を含む)と合わせて医療費は8200円。その3割の2460円を自己負担しました。一方、翌朝になってから、決められた診療時間内に受診したTさんは特別料金がかからないので、医療費は3400円(基本料金2700円+処方せん料700円)で自己負担は1020円だったというわけです。
深夜の加算の他にも、時間外、休日に受診した場合は図1のような加算がつきます。病気になる時間や曜日は選べませんし、症状が出ているのに受診を控えて手遅れになることもあるので、一概に時間外や深夜の受診を否定することはできません。ただし、本当は日中に受診できるにもかかわらず仕事や遊びなど自分の都合を優先させて、軽い症状や緊急性のない病気でも夜間や休日の救急外来に行くコンビニ受診が問題になっています。
深夜や休日の救急外来は、その病気の専門医でない医師が順番に当直していることもあり、医療スタッフも手薄になったりします。できるだけ人手の多い日中の診察時間内に受診したほうが安心ですし、医療費の面でも無駄な加算を払わなくてよくなります。具合が悪くなりそうなら仕事を切り上げて早めに受診したり、小康状態なら翌朝まで様子を見るといった対応も必要です。
編集部からのお知らせ
『読むだけで200万円節約できる!医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』 発売中!
知っている人だけがトクをする!
手続きだけで大幅節約できる裏ワザから、
入院しないともらえない「民間医療保険」のしくみまで、医療費の知りたいことが満載!
ご購入はこちら⇒ [Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス]