知っている人だけがトクをする医療費節約の裏ワザ。ごぞんじですか?会社員の皆さんが、給料から毎月支払う「健康保険料」を節約する方法があります。それは4月から6月の残業代をなるべく減らすということ。それはなぜなのでしょう?今回は『読むだけで200万円節約できる!医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』から抜粋して、内容をご紹介します。

4~6月は無駄な残業を控えたほうが
会社員は健康保険料が安くなる!?

 毎月、給料から天引きされている健康保険料は、どのように決まっているのでしょうか。会社員の健康保険料は、毎月の給料やボーナスに一定の保険料率を掛けたものを、会社と従業員が原則的に半分ずつ負担します。保険料率は加入している健康保険によって異なりますが、おもに中小企業の従業員が加入する協会けんぽの場合は全国平均で10.0%(2013年度)なので、会社と従業員が5%ずつ負担します。

 会社員の給料は残業などによって変動しますが、その都度、保険料を計算し直すのは大変な作業になります。そこで、毎年4~6月の3ヵ月間の給料を平均して、保険料計算のもとになる「標準報酬月額」というものを7月に決め、その金額を9月から翌年8月まで適用することになっています。

 標準報酬月額を決めるもとになる4~6月の給料は、毎月必ず支払われる固定的な賃金(基本給、家族手当、住宅手当、通勤手当など)に加えて、月ごとに変動する流動的な賃金(残業手当、宿直手当など)も含められます。

 7月以降に給与が大きく増減すると、標準報酬月額も見直されることもありますが、それは固定的な賃金や給料体系に変更があった場合なので、基本給が変わらなければ残業代が増えても減っても、翌年8月までは健康保険料に変更はありません。つまり、4~6月にたくさん残業すると健康保険料も高くなるということです。

 Mさんは、こうした社会保険料の仕組みを知ってから、自分のできる範囲で働き方の調整をするようになりました。

「4~6月に残業して、7月以降に残業しないと、割高な健康保険料を1年間払い続けることになります。そこで、僕は4~6月はできるだけ無駄な残業は控えて、その分、7月以降にバリバリ働くようにしています」

 業務内容によっては残業の時期を自分で選ぶのが難しい人もいるはずですが、調整可能な場合はMさんのように健康保険料の節約をすることも可能です。

 ちなみに、ボーナスは支給額から1000円未満を切り捨てた金額に、保険料率を掛けたものがそのまま健康保険料になります。ただし、保険料計算の対象になるボーナスは年間540万円までで、それを超えた分に保険料はかかりません。収入がガラス張りの会社員は逃げ隠れできませんが、保険料の仕組みを知っておくだけでも生活防衛に役立ちます。