ベンチャーからスタートアップへ
数は増えたが質はまだまだ低い

筆者 起業の数が増えたという声と、投資案件が乏しいという声があるが、実際どのように現状を見ている?

A この数年でスタートアップの数も、投資案件の数も増えた。爆発的じゃないが、確実に増えている。

C 確かに。増えているという点は私もそう思う。この3~4年で「ベンチャー」から「スタートアップ」へと世界的に変化したのが大きいんじゃないかな。これまでベンチャーがたくさんあるのは米国くらいだった。日本じゃ、90年代なんかは特に「心に傷のある人」が起業するものと思われていた。とにかく、起業する人は特別な事情がある人、という位置づけだった。

 それが「スタートアップ」の時代になって、起業するということが身近になっている。広く多くの人が会社をつくるようになってきたということだ。

B でも、2~3年前のスタートアップ・ブームからは、成功した例はかなり少ない。メディアに注目されたけど、泣かず飛ばずというケースも多い。

A そう、投資案件は増えても、投資したい話の数というのは変わらない。三角形の底辺の部分が増えている感じ。

筆者 人の質は上がっているが、事業テーマがだめだから、投資する気がしない会社が増えているということ?

B どこにでもあるようなサービスが、日本にもいくつも出てくる。「それ、どうやってエグジットするの?」と聞きたくなる場面はたくさんある。ただ、それでも金を出す投資家はいるんだけどね。

A 日本はそこそこ幸せだから、事業として大成功するような斬新でわくわくするようなテーマが出てこないのかもしれない(笑)。片隅で、WebとかITとかで、頑張ってるというところで留まっているんだろう。小さくまとまっている。

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 本連載第1回で示した事業創造2.0、つまり金がかからないスタートアップへの大変化が日本でも起こっていることは確かなようだ。もっとも、起業しやすくなって数は増えたが、質は伴っていないのが現状ということだ。

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