先週の総括

 先週の日経平均株価は連日下落し続け、1週間の下げ幅は300円となった。結局、12日連続安である。原油高・米国金融システム不安を受けた米国株安に翻弄され続けた。米国原油相場が連日最高値を更新し、1バレル140ドル台に乗せたことを嫌気した。6月4週目に外国人投資家が売り越しに転じたことから買い手の手仕舞いも目立った。7月1日には日銀短観が発表されたが、特に材料視されなかった。結局前週末比2.3%安い1万3237円で引けた。

 規模別には小型株の調整幅が大きかった。マザーズ指数は前週末比1.2%のマイナス、東証2部指数も同2.3%のマイナスだった。業種別には電力ガス、陸運、海運などが上昇し、一方でゴム製品、その他金融、不動産が下落した。

今週の予報

精密機器業界は複写機や
デジカメなど主力製品が堅調で
「晴」→「晴」

晴 晴

 今週の日経平均株価は、底打ちの展開を予想する。既にRSI・騰落レシオなどテクニカル指標は陰の極を示している。きっかけ次第ではあるが、急反発の下地もそろいつつあると判断している。ポイントは、ドル安と相関の高い原油価格の動向だ。ECB(欧州中央銀行)が0.25%の利上げを行なったが、追加利上げを明言しなかったことでドル安材料の出尽くし感がある。物色の方向は、太陽電池関連など環境問題に絡む銘柄が引き続き有望だろう。

 精密機器業界の株価が堅調である。代表銘柄であるキヤノンの株価は、2007年6月の高値7450円から今年3月の安値4100円まで45%も急落したがその後5820円まで急反発している。長期的な動きを見ても、東証33分類上の精密機器指数は、2000年1月を100とした場合に、今年6月末で112となっている。これは、TOPIXの同基準の77と比べて大幅にアウトパフォームしている。主力製品が好調のためだ。

 まずは複写機の動向を見てみよう。社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会の調べによると、モノクロ複写機の出荷金額は2008年1月から3月の累計では微増となった。国内販売は不振だったものの、海外生産を海外販売した製品が好調で全体を補っている。