私が顧問先で「大企業を狙いましょう!」と提案しても、返ってくるのはネガティブな答えばかりです。
「でも、ウチの会社なんかに本当にできるのでしょうか?」
「ウチの会社には特別な技術もないし、とても無理ですよ」
しかし、実態は違います。大企業ほど新しい提案、新しい技術を心の底から求めているのです。先ほど「お客様はみんな困っている」と書きましたが、これは大企業にこそ当てはまる悩みなのです。
少し考えればわかると思います。
例えば今、私はパナソニック製のノートパソコンを使ってこの原稿を書いています。ではパナソニックが3年後も、私が今使っているノートパソコンと同じものを売っているでしょうか? そんなことはあり得ません。新しい製品を開発し、それを市場に投入しなければ、あっという間にライバルメーカーにシェアを奪われてしまうはずです。
3年後には、現在の製品よりも高性能で、軽くて、小さくコンパクトになっていることでしょう。
このように、大企業は熾烈とも言える新製品開発に日々明け暮れています。どうすれば性能が上がるか、どうすれば軽くなるか、どうすれば小さくなるかなどの悩みを抱えて、その克服に日々追われているのです。
困っているのはモノづくりの会社だけではありません。大手外食チェーンであれば、いかに売れるメニューを開発するか、日々頭を悩ませています。大手食品メーカーや大手菓子メーカーでも同じことです。大企業ほど、本当に困っているのです。
プロセスを踏めば
大企業の「取引口座」は取れる
こうした現実が見えるようになれば、あとは目の前のハードルを越えていくことで、大企業と取引に至ることができます。
その最初のハードルは、「大企業は取引口座が取りにくい」というものです。
「取引口座」というのは、大企業が継続的取引をする相手に対して設定するものです。上場会社などの大企業にモノやサービスを売り込むためには、この「取引口座」をつくってもらう必要があります。
言い換えれば、この「取引口座」がなければ、大企業の現場の人たちはあなたの会社の商品を買うことができないのです。
こうした事情が、「大企業は新規開拓が難しい」という営業マンの言い訳にもつながっています。
もちろん、こうした大企業の取引口座を取るためには、きちんとしたプロセスを踏まなくてはなりません。とくに大切なのは最初のプロセスです。